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カインの末裔
- ナレーター: 櫻井 理絵
- 再生時間: 2 時間 18 分
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学問を修め、品性を磨いて自身の人格を高めていくという教育方針の中で育った有島武郎は、西洋風の教育を受け、ミッションスクールで西洋思想を身につけました。学習院を経て進学した札幌農学校において、
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小さき者へ
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結核が死病だった時代、有島武郎の妻は愛児を遺して死ぬ。遺していかねばならない幼い子ども達への、狂おしいほどの愛情を、夫は子どもらの誕生から説き起こし、少ない母との思い出のよすがとしてやるのだった……愛情に満ちた語り口調が優しく切ない有島武郎の名編。 【朗読者について】NPO法人現代朗読協会員の春日玲は、日頃のつっこみキャラとは対照的な優しい語り口調が持ち味。作品の雰囲気にマッチした声が、死が迫る切なさとあわせて心に迫ります。 【アイ文庫について】 プロによる高品質な文芸朗読作品を制作しているアイ文庫。プロデューサーを務める小説家・音楽家の水城雄のもと、朗読を音声による芸術表現として捉え、演劇的な要素が特徴の朗読で魅せるアーティスト集団・NPO法人現代朗読協会とともに、意欲作の創造に取り組んでいます。 ☆ことのは出版のオーディオブック情報「http://www.kotonoha.co.jp」にて
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【解説】札幌に住んでいた私の家に、少年の君が来て自分の絵を見てもらいたいと言った。それは、手荒ながら不思議な迫力で迫ってくるものだった。君は「もっといいものを描いてまた来ます」と言って帰っていき、それから音信が途絶えて10年がたった。ある朝君から、突然、魚臭い油紙に包まれたスケッチが届けられた。それは芸術家のみが描く事ができる、北海道の深刻な自然の肖像画だった。 久しぶりに会う君は、少年時代の面影などどこにもなかった。君はあれから、苦しい漁家の家業を支えるために東京での学業を断念し、岩内の実家で漁夫として厳しい労働に没頭してきたのだった。昼夜を問わないつらい労働の中、遭難もし、自殺もしかけたが、絵画への欲求は途絶えることはなかったという。君がどうしてそのような苦労を負わなければならないのか、と思う。しかし、この生きている地球の胸の中に隠れて生まれ出ようとするものの悩み――それを僕はしみじみと君によって感ずる事ができるのだ。 【朗読者】wis(透明感のある声で知られる女性朗読家です)
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「僕」は小さいころ絵を描くことが大好きだった。西洋人ばかりいる学校に通っていた「僕」は、級友のジムが持っている上等の絵の具が欲しくてたまらなかった。「僕」の持っている絵の具ではどんなに頑張っても美しく描けなかったから・・・。
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