実説 城谷怪談「助けに来た子 後編」
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ナレーター:
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城谷 歩
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著者:
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城谷 歩
このコンテンツについて
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「助けに来た子 後編」(25分)
男女11人で琵琶湖傍の老舗の旅館に着いたのは初夏で空のよく晴れた日の午後だった。
車から降りて宿に入ると肌寒い。違和感を覚えたその夜温泉に入りに行こうと一番遅れて部屋を出ると「ママ」という声とともに小さな男の子が腰にしがみついた。一瞬クニハルさんと思うもそんなはずはない。
遅いのを気にして戻ってきた同僚と話しているうちに男の子は消えてしまった。
そして、いよいよ事が起きたのは翌日、皆で琵琶湖に繰り出し貸しボートのスワンで湖に漕ぎ出してからのことだ。そろそろ戻ろうかというときに、同乗の男がふざけてスワンボートを揺らした拍子に転覆し母は水中に投げ出されたのだ。
その母の腰に昨夜の男の子しがみついている。"©2021 Wataru shirotani