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実説 城谷怪談「烏原ののっぺらぼう 前編」
- ナレーター: 城谷 歩
- 再生時間: 25 分
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人間からひどい仕打ちを受けたことがある母狐は、人家に近づくことができません。子狐の手を片方だけ人間の手に変えて、1人で手袋を買いに行かせました。ところが、子狐は間違って狐の手を出してしまったのです。その結果…。「人間は怖くない!」と思った子狐。それを聞いて「本当にそうかしら?」とつぶやいた母狐。話の中に善悪が入り交じった人間社会がさりげなく描かれています。新美南吉の作品には人間の姿を動物に移し替えたものが少なくありません。西村知美さんがお子さんに読んで聴かせるように語ります。
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- 投稿者: Amazon Customer 日付: 2024/01/19
著者: 新美 南吉, 、その他
あらすじ・解説
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「烏原ののっぺらぼう 前編」(25分)
兵庫県在住のクニハルさんは五十代の管理職。彼の父親はクニハルさんが小学生の時に家を出てから行方不明のままだが、覚えている姿は酒に溺れ、博打にはまり、仕事もしない乱暴なろくでなしなのだそうだ。
しかし、母親は憤るクニハルさんに昔からよく「昔は本当にいいひとだったのよ……」と諭すように言う。「あのことが無ければあんな風に人が変わってしまうこともなかったのに」と。
あのことというのは、父がまだ母と結婚して間もない頃。小さな新聞配達の店舗の店主についたばかりのとき、ある朝一人の配達員の青年が真っ青な顔で配達区域から戻ると、震えながら「出た!烏原のお化けだ!」
「烏原ののっぺらぼう 後編」(33分)
六甲山脈に属する小さな山の頂には、池というにはあまりに汚い池があり、烏原の水源地と呼ばれていた。
その池の周りはいつだって陰鬱とした空気に満ちており、長年手入れのされていないのが一目瞭然、鬱蒼と茂った下草は伸び放題、挙句数年に一度は事故か事件かわからない水死体が上がり、誰いうともなく「烏原にはお化けがいて、生きてる人を殺すに違いない」という噂があった。
件の青年は詳しくは語らなかったが、おびえ切ってその区域への配達は出来ないので、クニハルさんの父が代わりに受け持つことになった。
1年ほどは何事もなったのだがある冬の朝のこと……。
「助けに来た子 前編」(29分)
この話も先にお届けしたクニハルさんから伺った話だ。先は父親の話だったが、今度は母親である。
クニハルさんの母は父が家を出た後、細腕一つでクニハルさんを育て上げた女性だが、どうやら昔から霊感が強かったらしい。
クニハルさんが10歳のころ、家計を支えるため、昼職のほかに夜はホステスをしながら休む間もない働きぶりは幼いクニハルさんの目にも圧倒的だった。
ある日、店の常連客が店のママと女の子数人と琵琶湖へ一泊二日の旅行に行こうと持ち掛けてきた。子連れであることを隠して務めていた母は躊躇したが、結局一緒に行くことになったそうだ。
しかし、後になって思えば躊躇したのはすでに嫌な予感があったからかもしれない。
「助けに来た子 後編」(25分)
男女11人で琵琶湖傍の老舗の旅館に着いたのは初夏で空のよく晴れた日の午後だった。
車から降りて宿に入ると肌寒い。違和感を覚えたその夜温泉に入りに行こうと一番遅れて部屋を出ると「ママ」という声とともに小さな男の子が腰にしがみついた。一瞬クニハルさんと思うもそんなはずはない。
遅いのを気にして戻ってきた同僚と話しているうちに男の子は消えてしまった。
そして、いよいよ事が起きたのは翌日、皆で琵琶湖に繰り出し貸しボートのスワンで湖に漕ぎ出してからのことだ。そろそろ戻ろうかというときに、同乗の男がふざけてスワンボートを揺らした拍子に転覆し母は水中に投げ出されたのだ。
その母の腰に昨夜の男の子しがみついている。