実説 城谷怪談 撰集 八十九
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ナレーター:
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城谷 歩
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著者:
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城谷 歩
このコンテンツについて
老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、
ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。
幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、
更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。
そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介
「裏マニュアル」(26分)
Yさんという女性が二十年ほど前に勤務していた、某大手のホテルでの出来事。
電話交換手として深夜働いていた時、忙しい時間が終わり少し仮眠をとることにした。
仮眠室は電話交換室に隣接しており二段ベッドが据えてあるだけの簡素なスペースだったが、
よく金縛りにあうので正直あまりゆっくり休むことはできなかった。
さてその日もYさんは金縛りに襲われた。
ところがこの日は不運にも目を開けたまま体が硬直してしまったのだそうだが見ると視界の端に黒い人影がはっきりと見えてしまったのである。
「死後の待合い」(27分)
みんさんという女性は今から十年ほど前に、二週間を開けずに相次いでご両親を亡くされた。
これはその時に体験した不思議な出来事である。
すでに寄る年波で体を悪くしていた母親を一年と少し介護していた時、
いよいよ危篤状態に陥った母のベッドのそばで父親と二人静かな時間を送っていた時、
母親の額のあたりから突然湯気のような靄のようなものが沸き上がってきたという。
二人して呆気に取られていたがそのうち父親が無言のまま病室を出て行ってしまった。
間もなく母親は息を引き取ったのだが、これは魂だったのではないかと……。
「夜道」(27分)
HNでおちびさんという若い女性の体験談。
昨年の十月ハロウィンを間近に控えたその日、おちびさんは母親と一緒に車で寄合に出かけた。
用事が済んだ帰り道、途中で知り合い二人を送り届け、
後は勝手知ったるいつもの道を母親の運転で走っていたそうだ。
おちびさんはスマホを取り出し、今日の出来事をSNSに上げようと記事を書いていたそうだが、
そのうちに母親が「あれ?」と声を上げたので、ふと前方を見ると全く知らない道を走っている。
これが只の迷子ではないことをこの時まだ知る由もない。
「直前の奇跡」(23分)
清香さんの体験した出来事には幽霊お化けは直接的には出てこない。
思い過ごしと言われればそこまでかもしれないが、単純にそうとはいいがたい不思議なことが連続して起きたそうだ。
今から五年前、清香さんの父親に膵臓癌が見つかって大掛かりな手術をして病巣を摘出した。
何かあってはいけないと横浜から実家のある北海道に帰省して見守っていたが、
この時は無事手術も成功し安心して帰ってきたのだと言う。 ところが一年たたぬうちに癌の転移が見つかり、見つかった時にはすでに手遅れの状態まで病状が進行していた。©2022 Wataru Shirotani
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