巌谷小波童話集 寓話編 2
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ナレーター:
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パンローリング
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著者:
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巌谷 小波
このコンテンツについて
お子様が集中して聴けるよう、お話は1話10分程度。プロとして活躍する朗読家や声優、ナレーター達が感情豊かに読み上げます。
巌谷小波は文部省唱歌「ふじの山」や童謡「浦島太郎」の作詞者としても知られている童話作家です。今日有名な『桃太郎』や『花咲爺』などの民話や英雄譚の多くは彼の手によって再生されて、読者の手に届いたもので、日本近代児童文学の開拓者というにふさわしい業績を上げている作家でもあります。その後には、創作童話も作り上げて、作家としての地位を確立すると共に、内外の昔話や名作をお伽噺として平易に書き改める仕事のほか、童話の口演や戯曲化も試みていきました。
「葉ぬけ爺」
あるところに、太郎と次郎の二人の男の子がいました。二人は家が貧しくて学校に行くことも出来ず、畑仕事をしたり、薪を拾ってきたりして、毎日働いていました。
ある冬の日のこと、これから寒くなっていくので、薪や枯れ葉を拾い集めるために、太郎と次郎は山に向かいました。ちょうどその日は朝からどんより曇っており、次第に雨は降り出すわ、木枯らしは吹き出すわで寒くてたまりません。次郎さんは、太郎さんが止めようとするのにも構わず、拾ってきた薪と枯れ葉で焚火を起こしてしまいます。あったまっていた二人ですが、とうとう家に持って帰る薪まで全部燃やしてしまい、遂には燃やす物が無くなって焚火も消えてしまいました。
すると、燃え残りから上がった一筋の煙から、一人のおじいさんが現われたのですが……
「太郎丸次郎丸」
あるところに太郎丸と次郎丸という二人の童子がいました。
太郎丸は胡弓を、次郎丸は笛を持っており、どうにかしてこの楽器を自分たちが楽しむだけでなく、世間へ広めて皆が楽しめるようにする方法はないかと相談して、二人で鳴物の先生になって、教えていくのがいいと考えました。
そこで太郎丸は木の上で胡弓を弾き、次郎丸は草原で笛を吹いて、習いに来ようとする者を待っていました。
やがて太郎丸のところには金糸雀が、そして、次郎丸のところへはキリギリスがやって来て教えを乞うたのですが……
●収録しているお話(一部)●
影法師
鶴の助太刀
がんがらがんの雁
椋鳥の宿賃
鶴の兄弟
波の兎
柿大将
紙雛と高砂
狸のから鼓
烏の行水
葉ぬけ爺
土筆坊
<巌谷小波(いわや さざなみ)>
児童文学者、小説家、俳人。本名季雄 (すえお) 。 1870年東京生まれ。1887年、尾崎紅葉らの硯友社に参加し、「文壇の少年屋」といわれるほど少年少女の純愛をテーマにした小説を多く書いたが、『こがね丸』 (1891) 以後は児童文学に専心。 95年創刊の『少年世界』の主筆として毎号作品を発表、「お伽噺 (とぎばなし) 」の新分野を開拓するとともに後進の指導にもあたり、明治の児童文学界に君臨した。(c)2017 Pan Rolling