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サマリー
あらすじ・解説
小村雪岱 「初めて鏡花先生に御目にかかつた時」 初出 「図書 第5年第50号 泉鏡花号」(昭和15年) 泉鏡花にまつわる人々の目を通した鏡花像をご紹介。 著者の小村雪岱(1887〜1940)は、大正期から昭和初期にかけて活躍した日本画家・版画家。挿絵に装丁、舞台美術においても数々の名作を遺している。 初めての泉鏡花本の装丁は「日本橋」(大正3年)。 滔々と流れる川を行き交う舟、両岸にずらりと立ち並ぶ立派な蔵。賑わう街の様子が明るく淡い色調で描かれ、その中を色とりどりの無数の蝶が乱れ飛ぶーーー 表紙から裏表紙にかけて一面に描かれた風景は見事に鏡花作品の世界観を表し、以後も雪岱は鏡花本の装丁を数多く手がけた。 今作品は雪岱が鏡花との出会いを回想したエッセイで、画学生時代の鏡花作品との出会いから始まり、本人との相見える瞬間をクライマックスシーンとして結ばれている。 当時鏡花の一ファンであった小村青年の運命を大きく動かした偶然。 それらのエピソードが敬慕の情をもって語られた一編。