ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ。石垣島天文台 研究員の早津です。今回のテーマは、「石垣島天文台」についてです。まずは石垣島についてご紹介します。石垣島は、沖縄本島から南西へ約410km、飛行機で1時間ほど行ったところにある東シナ海に浮かぶ八重山諸島の島のひとつです。島の大きさは、県内で1番は沖縄本島、2番はおとなりの西表島についで、3番目です。南北の長さは約35kmで、南の島の魅力がたくさん、コンパクトに詰まっている島になります。白い砂浜と透明度の高い海が有名で、特にマンタとの遭遇率はとても高く、世界中から多くのダイバーが訪れることでも有名です。ですが、石垣島の魅力は星空にもあります。ラジオ放送でご紹介したように、石垣島は、2018年に日本で初めて星空保護区に認定。いわば星空版世界遺産に認定されるほど、自然のままの夜空が残っています。石垣島のガイドブックには美しい星空について特集が組まれ、石垣島天文台もよく紹介されています。また、ジェット気流や偏西風の影響が少ないため、星は瞬きが少なく、さらに緯度が24度と低いので、全天88星座のうち南十字星を含めて84の星座が観測可能です。冬場は一等星なら21個全て見ることができます。ぜひ、観光の際は、星空を眺めていただきたいです。以上の事から、石垣島は「空の良さ」と「地理的な良さ」をもつ、天文観測の好適地です。なので、この小さな島に国立天文台所属の観測施設が二つもあるのです。ひとつは20m電波望遠鏡があるVERA(ベラ)石垣島観測局。もう一つは、九州沖縄最大口径の可視望遠鏡、むりかぶし望遠鏡を有する石垣島天文台になります。石垣島は「空の良さ」「地理的な良さ」「施設の良さ」三拍子揃っている。日本からの天文観測において普遍的な価値をもった島ということになります。ちなみに「むりかぶし」とは、八重山地方の方言で「すばる(プレアデス星団)」を指します。2006年の竣工時に市民からの公募で名付けられました。105cmの一枚鏡をもつ、むりかぶし望遠鏡は、400kmはなれた沖縄本島の蝋燭の光を捉えられるほどの高い感度をもっています。石垣島天文台では、一般の方向けに夜の観望会や昼間の施設公開を行なっています。夜の観望会は現在、土日祝日に、実際にむりかぶし望遠鏡を使用して行なっています。昼間の施設公開では、ドーム内まで見学いただいて、むりかぶし望遠鏡で撮影した画像や映像をご案内したり「宇宙シアター」という3Dメガネを使用して宇宙を立体的に感じていただく上映会も行っております。8月に石垣島へのご旅行を検討している方は、石垣市が主催する南の島の星祭りをチェックしてみてください。2024年は、8月10日(土)です。また高校生向けの「美ら星研究探検隊」も2024年8月7日~8月9日にあります。むりかぶし望遠鏡やVERAを使って研究体験をする2泊3日のプログラムです。昨年度の高校生たちは小惑星候補をみつけて、天文学会のジュニアセッションで成果を発表しました。私も微力ながら観測のお手伝いをさせていただき、とてもよい思い出になりました。なかなか石垣島は遠くて来られない、という方はぜひ石垣島天文台の南十字星モニターを眺めてみてください。↓アクセス先↓石垣島天文台 南十字星モニターリアルタイムの石垣島の南の空の様子がご覧になれます。夏は画角を変えて天の川モニターになります。モニターのメンテナンスは私の仕事なのですが、実は二週間後の31日も放送のお時間をいただいておりまして、その際に南十字星や研究員の仕事について少しご紹介したいと思っています。また東京都東久留米市のラジオ「くるめラ」でも二ヶ月に一回のレギュラーコーナーを担当させていただいています。次回は2024年7月10日(水)10時にご視聴いただけます。広報・教育・研究の各方面において運営をつづける石垣島天文台ですが、その継続的な業績を讃えられ、令和4️年度と5年度2年連続で天文学の賞をいただきました。これからもスタッフ一同一層励んでまいりますので、進化し続ける小さな天文台、石垣島天文台にぜひ一度訪れてみてください。それでは...
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