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サマリー
あらすじ・解説
シリーズの紹介
『俳句と聖書』は、メルマガ『東北の教会』の書評コーナー“From the Bookshelf”において書評を担当する、アマチュアの作家・俳人である小林和真(林想永)が、十七音字からなる日本の誇るべき短詩である「俳句」を通して聖書や、キリスト教について、みなさまと共に考えていくポッドキャストです。
今回の要点
『俳句と聖書』の第二回目は、序章的な『発端』を経て、「行く春や」にはじまり、「行く秋ぞ」に終わる『おくのほそ道』の第一章「旅立ち」の章を見ていきます。
『おくのほそ道』の根本動機を述べた序章の「発端」において、無常観的な、諦念的立場に立ち、「草の戸も住み替はる代ぞ雛の家」と詠んだ芭蕉は、「旅立ち」に際して、「行く春や鳥啼き魚の目は涙」という、センチメンタリズム溢れる、芭蕉の「人間的な弱さ」を垣間見ることのできる一句を詠んでいます。
そして、この章は、代々の文学者の雅なる「ことば」に「ことば」という綺羅をまとわせた、本歌取り的なレトリックによって着飾られた美文であり、その豪華絢爛は、まるで、美しい万華鏡を目の当たりにするかのような章となっております。