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サマリー
あらすじ・解説
■金沢の近江町市場向かいで、しばた法律事務所を開く柴田未来(みき)弁護士。柴田さんが目指すのは「おせっかい」な法律事務所です。柴田弁護士が考える「おせっかい」とは? ―いろいろな困難に直面して、そこから抜け出る一歩が踏み出せない人もいます。そんな人には、少し手を引いてあげる、おせっかいな人が必要かもしれない。そんなおせっかいを、法律を生かしてできればいいなと考えました。 ■「おせっかいな法律相談所」を開いたきっかけは? ―金沢で、子ども食堂を広めるお手伝いをしていたとき、泣きながらご飯を食べているお母さんがいました。 4人のお子さんがいるシングルマザーでした。仕事をして、子どもたちを迎えに行って、晩ご飯の買い物をして、晩ご飯を作って、子どもたちにご飯を食べさせて、片付けをして、子どもたちを寝付かせて…。そんな毎日だったから、考えたらこの1年間座って晩ご飯を食べたことがなかった。 そう言ってポロポロ泣く。 一人で子育てするってこういうことだったのか、って、とってもショックだったんです。 でも、もっと驚いたのは、周りにいた、元シングルマザーのボランティアたちは誰もビックリしていない。そんなもんよね、って感じで。 私は、本当に驚いてしまって。 これは大変だ、と。こんな状況にいる人が、自分が置かれている状況を冷静に分析して、これは法律問題だから弁護士のところにいって解決してこようって思えるかというと、絶対に無理だ。だから、こちらから一歩前に出て、おせっかいをしなくちゃダメだなと思いました。 ■おせっかいを焼いてみた感想は? ―私がこれまで関わってきた事件というのは、本人は、「誰にでも起きること」「些細なこと」「仕方がないこと」だと思って周囲に相談できずにいる人がとても多いな、という印象なんですね。 極端な例だと思われるかも知れませんけど、月に何度も夫から暴力を振るわれていた奥さんを、親や兄弟が見かねて実家に連れ帰って私の事務所に連れてこられることもあります。客観的にはとても大変な状況なのですが、本人は、「いつものけんか。骨も折れていないし、血がボタボタ出ているわけでもない。」と思っていたり。お金がなくて三食食べられなくて、母親が一日一食にしか食べていなくても、「仕方がない。私のわがままで家を飛び出したから」と我慢してしまったり。 辛いとか、痛いという感情に、もう少し素直になってほしい、敏感になってほしい。 勝手な思い込みで口を結んでしまわないで、ちょっとしゃべってみたら?と軽い感じで促してみたいと思っています。 もしかしたら、本当に小さな問題で、話しを聞いてもらったら気持ちが晴れたという人もいると思います。それならそれで良いと思うんです。 ■しばた未来法律事務所のHPには「女性の相談 初回無料」とあります。 ―自分は何に困っているのか、きちんと整理し切れていない人の中に、比較的女性の方が多いように感じています。もしかしたら、その悩みは法律で解決できるものかもしれない。それに気づいていないかもしれない。だからこそ、一度でいいから、試しに相談しに来てみ?って言ってみたいなと思っているんですよね。 ■法律が暮らしや人生を楽にしてくれることがきっとあるはずです。 これから、柴田さんのおせっかいが大勢の方をより明るくすることになりそうです。