桂文我 怪噺 十九
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桂文我
このコンテンツについて
スタジオ録音で「怪異談」を収録する作業は、毎月開催の猫間川寄席の会場となる、玉造・さんくすホールで行われていますが、収録が深夜に及ぶことも多くあり、録音作業の小野裕司氏の表情も鬼気迫り、背筋に冷たい物が走る時もありました。
ライブ録音とスタジオ録音では、雰囲気に大きな差があるだけに、ライブ録音の方が臨場感があって良いと思われる方も多いでしょうが、スタジオ録音の方が落ち着いて、細かく演じている場合も多いと言えましょう。
還暦も越えた昨今、頭の中にあるネタは、出来るだけ、録音して、残して行きたいと思っていますので、ライブ録音でも、スタジオ録音でも、その場の怪異談を楽しんでいただければ、幸いです。
シリーズの中には、滑稽怪談や、細工の名人の不思議な話など入っていますが、これも彩りの一つと捉えていただきますように…。
あなただけの耳に、心を込めた怪異談を流し込みますので、どうぞ、宜しくお付き合い下さいませ。
内容紹介
「片袖」(かたそで)(32分)
大阪平野の大念仏寺に伝わる「幽霊の片袖」を題材に取り、「仮名手本忠臣蔵六段目」 の浄瑠璃を加え、重みのあるネタに仕上がっています。ジックリ演じるには最適なネタですが、浄瑠璃の稽古が出来ていなければ、とても形にならない落語と言えましょう。
「伽羅の下駄」(きゃらのげた)(28分)
日本と天竺(※現在のインド)を繋ぐ、壮大な内容のネタですが、如何にも落語らしい 内容に仕上がっています。日本と外国の文化や風習の違いを表現した、誠にユニークなネタと言えましょう。
「皿屋敷」(さらやしき)(31分)
皿屋敷伝説は全国各地にありますが、主人公の名前は、お菊に決まっているようです。 劇中劇・現実・パロディという構成になっている滑稽怪談は、名作落語と言っても間違い無いでしょう。
「骨つり」(ほねつり)(22分)
このネタの原話は、中国笑話本の「笑府」に載っています。江戸時代から演じられてい たと思いますが、明治時代になってから頻繁に高座に掛けられるようになりました。コント仕立ての中に人情を感じるのは、ネタの構成が良いのでしょう。
「秋刀魚芝居」(さんましばい)(14分)
秋になると、聞きたい落語の一つです。しかし、意外に演者は少なく、寄席や落語会で 上演されることは殆どありません。とても面白い内容だと思いますし、季節感もタップリだけに、もっと演者が増えてもいいと思うのですが…。
四代目 桂 文我(かつら ぶんが) プロフィール
昭和35年生まれ、三重県松阪市出身。昭和54年3月、二代目桂枝雀に入門し、桂雀司を名乗る。平成7年2月、四代目桂文我を襲名。全国各地で、桂文我独演会・桂文我の会や、親子で落語を楽しむ「おやこ寄席」も開催。
平成25年4月より、相愛大学客員教授に就任し、「上方落語論」を講義。国立演芸場花形演芸大賞、大阪市咲くやこの花賞、NHK新人演芸大賞優秀賞、芸術選奨文部科学大臣賞など、多数の受賞歴あり。©2022 Katsura Bunga
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