『百合』のカバーアート

百合

プレビューの再生

Audible会員プラン 無料体験

30日間の無料体験を試す
会員は、20万以上の対象作品が聴き放題
アプリならオフライン再生可能
プロの声優や俳優の朗読も楽しめる
Audibleでしか聴けない本やポッドキャストも多数
無料体験終了後は月会費1,500円。いつでも退会できます

百合

著者: 芥川 龍之介
ナレーター: 斉藤 範子
30日間の無料体験を試す

無料体験終了後は月額¥1,500。いつでも退会できます。

¥500 で購入

¥500 で購入

注文を確定する
下4桁がのクレジットカードで支払う
ボタンを押すと、Audibleの利用規約およびAmazonのプライバシー規約同意したものとみなされます。支払方法および返品等についてはこちら
キャンセル

このコンテンツについて

代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。
才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。
そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。
次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。
その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。
芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。
また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。


良平はある雑誌社に校正の朱筆を握っている。しかしそれは本意ではない。彼は少しの暇さえあれば、翻訳のマルクスを耽読している。あるいは太い指の先に一本のバットを楽しみながら、薄暗いロシアを夢みている。百合の話もそう云う時にふと彼の心を掠めた、切れ切れな思い出の一片に過ぎない。

今年七歳の良平は生まれた家の台所に早い午飯を掻きこんでいた。すると隣の金三が汗ばんだ顔を光らせながら、何か大事件でも起ったようにいきなり流し元へ飛びこんで来た。
「今ね、良ちゃん。今ね、二本芽の百合を見つけて来たぜ。」
金三は二本芽を表わすために、上を向いた鼻の先へ両手の人さし指を揃えて見せた。
「二本芽のね?」
良平は思わず目を見張った。一つの根から芽の二本出た、その二本芽の百合と云うやつは容易に見つからない物だったのである。
「ああ、うんと太い二本芽のね、ちんぼ芽のね、赤芽のね、……」
金三は解けかかった帯の端に顔の汗を拭きながら、ほとんど夢中にしゃべり続けた。それに釣りこまれた良平もいつか膳を置きざりにしたまま、流し元の框にしゃがんでいた……©2022 PanRolling
アジア 文芸小説

百合に寄せられたリスナーの声

総合評価
  • 3 out of 5 stars
  • 星5つ
    0
  • 星4つ
    3
  • 星3つ
    2
  • 星2つ
    0
  • 星1つ
    1
ナレーション
  • 4 out of 5 stars
  • 星5つ
    1
  • 星4つ
    4
  • 星3つ
    0
  • 星2つ
    0
  • 星1つ
    0
ストーリー
  • 3 out of 5 stars
  • 星5つ
    0
  • 星4つ
    2
  • 星3つ
    1
  • 星2つ
    2
  • 星1つ
    0

カスタマーレビュー:以下のタブを選択することで、他のサイトのレビューをご覧になれます。

並べ替え:
絞り込み:
  • 総合評価
    4 out of 5 stars
  • ナレーション
    4 out of 5 stars
  • ストーリー
    3 out of 5 stars

ここで終わり!?

雰囲気や世界観がとてもいいだけに、とても惜しい作品です。
是非続きを聴いてみたかった…

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

ありがとうございました。

あなたはこのレビューを報告しました!

  • 総合評価
    3 out of 5 stars
  • ナレーション
    4 out of 5 stars
  • ストーリー
    2 out of 5 stars

未完なのかぁ

トロッコと同じ良平という名の主人公。何か関係があるのかなぁ。
ストーリーはレビュータイトル通り未完なのでなんとも・・・。

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

ありがとうございました。

あなたはこのレビューを報告しました!

  • 総合評価
    3 out of 5 stars
  • ナレーション
    4 out of 5 stars
  • ストーリー
    2 out of 5 stars

未完


未完の作品って、どうしてこう続きが気になるな〜ってところで終わっているのか……自分でこの先を考えるのもおもしろいと思いますが、やはり芥川龍之介の書く続きが読みたいという気持ちになってしまいます。

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

ありがとうございました。

あなたはこのレビューを報告しました!

  • 総合評価
    4 out of 5 stars
  • ナレーション
    4 out of 5 stars
  • ストーリー
    4 out of 5 stars

世界に浸りました

聞けてよかったです。作品の世界に浸ることができました。また聞きたいですね。

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

ありがとうございました。

あなたはこのレビューを報告しました!

  • 総合評価
    4 out of 5 stars
  • ナレーション
    5 out of 5 stars
  • ストーリー
    4 out of 5 stars

続きが気になる

心配だけどこっちからは行ってやんないぞ、喋ってやんないぞ、という子どもらしさがのぞいたところで未完…
今となってはどんな結末になるのか想像するしかないけど、そこまで考えて書いてたのかなぁ?
題材が綺麗な花だけに、先が気になってしまいます。

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

ありがとうございました。

あなたはこのレビューを報告しました!