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少年

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少年

著者: 芥川 龍之介
ナレーター: 斉藤 範子
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このコンテンツについて

代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。 才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。 そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。 次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。 その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。 芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。 また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。 昨年のクリスマスの午後、堀川保吉は須田町の角から新橋行の乗合自働車に乗った。 彼の席だけはあったものの、自働車の中は不相変身動きさえ出来ぬ満員である。 のみならず震災後の東京の道路は自働車を躍らすことも一通りではない。 保吉はきょうもふだんの通り、ポケットに入れてある本を出した。 が、鍛冶町へも来ないうちにとうとう読書だけは断念した。 この中でも本を読もうと云うのは奇蹟を行うのと同じことである。 奇蹟は彼の職業ではない。 美しい円光を頂いた昔の西洋の聖者なるものの、――いや、彼の隣りにいるカトリック教の宣教師は目前に奇蹟を行っている。 宣教師は何ごとも忘れたように小さい横文字の本を読みつづけている。 年はもう五十を越しているのであろう、鉄縁のパンス・ネエをかけた、鶏のように顔の赤い、短い頬鬚のある仏蘭西人である。 保吉は横目を使いながら、ちょっとその本を覗きこんだ、Essai sur les ……あとは何だか判然しない。 しかし内容はともかくも、紙の黄ばんだ、活字の細かい、とうてい新聞を読むようには読めそうもない代物である……©2022 PanRolling アジア 文芸小説

少年に寄せられたリスナーの声

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海の色


中盤で海の色の話をしているところが、なんだか素敵だなと感じました。風景が次々と想像できるような感じがよかったです。

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陰鬱だけど

芥川らしくて好きな作品です。
海の色の解釈とか、今なら「否定しない。それもこの子の個性だからまるごと肯定してあげる」とか育児本に書かれそうですね。
どのエピソードも、すごく繊細で、色んなことを敏感に感じ取っていたことがよく伝わります。

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何も感じないよりよっぽどいい

今の人達もこういう思想をもう少しもってもいいような気がしました。

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心に残りました

聞けて本当によかったです。自分の心の中に残りました。

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多感な少年

芥川がどのような少年だったのかがわかる気がして興味深かったです。

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