• 渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

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渡部龍朗の宮沢賢治朗読集

著者: 渡部製作所
  • サマリー

  • Audibleで数々の文学作品を朗読してきたナレーター 渡部龍朗(わたなべたつお) が、宮沢賢治作品の朗読全集の完成を目指し、一編ずつ心を込めてお届けするポッドキャスト。 幻想的で美しい宮沢賢治の言葉を、耳で楽しむひとときを。 物語の息遣いを感じながら、声に乗せて広がる世界をお楽しみください。
    渡部製作所
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あらすじ・解説

Audibleで数々の文学作品を朗読してきたナレーター 渡部龍朗(わたなべたつお) が、宮沢賢治作品の朗読全集の完成を目指し、一編ずつ心を込めてお届けするポッドキャスト。 幻想的で美しい宮沢賢治の言葉を、耳で楽しむひとときを。 物語の息遣いを感じながら、声に乗せて広がる世界をお楽しみください。
渡部製作所
エピソード
  • 猫の事務所
    2025/04/06

    📖『猫の事務所』朗読 – 小さな社会に映し出される、静かなまなざしとやさしい問いかけ🐾📎

    静かに語られる物語の世界へようこそ。
    今回お届けするのは、宮沢賢治の『猫の事務所』。

    軽便鉄道の停車場のそばにひっそりと建つ、猫の第六事務所。
    そこでは、猫たちが自分たちの歴史や地理を調べ、記録する仕事に真面目に取り組んでいます。
    この事務所で働く書記は、いつも決まって四匹だけ。黒い繻子の制服に身を包み、選ばれた者として誇りを持って働いています。

    一番書記の白猫、二番の虎猫、三番の三毛猫、そして四番書記の“かま猫”。
    かま猫とは、生まれつきの種ではなく、かまどの中に入って眠る癖から体中が煤だらけになってしまった猫のこと。
    その見た目のせいで、ふだんは嫌われがちな存在ですが、事務所の黒猫の事務長のもとでは、その能力を認められ、選ばれた四匹のうちの一匹として働いています。

    かま猫はとても真面目で、誠実に仕事をこなします。
    訪問者の質問にも、厚い帳面から素早く情報を引き出し、丁寧に答えるその姿に、時に周囲も感心するほど。
    けれども、その仕事ぶりとは裏腹に、どこか彼を受け入れない空気が、事務所の中には静かに漂っています。

    「夏猫は全然旅行に適せず」——何気ない資料の一節が読まれたとき、
    ふとした沈黙とともに、皆の視線が一斉にかま猫に向けられる。
    言葉にはされないけれど、確かに感じられる隔たり。
    その無言の圧力は、仕事の正確さや努力だけでは拭いきれない、人と人とのあいだに生まれる“壁”のようなものです。

    物語が進むにつれ、かま猫がどのような扱いを受け、何を思いながら日々を過ごしているのかが、
    言葉の端々や場面の静けさの中から、にじみ出るように描かれていきます。

    宮沢賢治は、この小さな猫の事務所を通して、
    社会の中にある目に見えない排除や偏見、
    そして、その中で懸命に自分の場所を守ろうとする姿を、やさしく、けれど鋭く描き出します。

    かわいらしい猫たちが織りなす、ユーモラスで愛らしい表面の奥に、
    私たち自身の暮らす社会と重なる光と影が、確かに存在しています。

    この静かで繊細な物語を、朗読でゆっくりと味わってみませんか?
    きっとあなたの心の中にも、小さな声がそっと響くはずです。

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    28 分
  • 月夜のけだもの
    2025/03/30

    📖『月夜のけだもの』朗読 – 月光とけむりに包まれた、やさしく幻想的な一夜🌕🐾

    静かに語られる物語の世界へようこそ。
    今回お届けするのは、宮沢賢治の『月夜のけだもの』。

    十日の月が西の煉瓦塀に沈むまで、あと一時間。
    青白い月の光が檻を照らすなか、獣たちはそれぞれの眠りについています。
    夜通しうろついていた狐も、今は奇妙な顔で眠り、あたりは静けさに包まれています。

    そんななか、語り手は獅子の檻の前のベンチに腰を下ろします。
    すると、月の光とけむりが溶け合うようにあたりの空気が変わり、
    獅子は黒いフロックコートに身を包み、やさしく威厳ある姿で立ち上がります。
    奥方からステッキを受け取った彼は、夜の見回りに出かけていきます。

    やがて出会う白熊とのやりとりは、どこかとぼけた味わいがあり、
    白熊が探しているという“象”の話を通して、けだものたちの世界に広がる
    知恵や信仰、憧れやすれ違いといったものが、ほのかに浮かび上がってきます。

    獅子は偉そうでありながら、どこか親しみ深く、話し相手を頭ごなしに否定することはありません。
    そのやりとりはまるで、誰かの夢の中で交わされた対話のように、静かであたたかく響きます。

    宮沢賢治の筆が描く、静寂と月光に満ちた幻想の一夜。
    やわらかな風刺と優しさに包まれたこの物語を、朗読でじっくり味わってみませんか?

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    23 分
  • 学者アラムハラドの見た着物
    2025/03/23

    📖『学者アラムハラドの見た着物』朗読 – 知と真理を求める旅📜

    静かに語られる物語の世界へようこそ。
    今回お届けするのは、宮沢賢治の『学者アラムハラドの見た着物』。

    学者アラムハラドは、ただ知識を集めるだけの学者ではありませんでした。
    彼が追い求めていたのは、まことの道、真理そのもの。
    人が道を求めることは、鳥が飛ばずにいられないのと同じ——
    彼はそう語り、教え子たちにその大切さを説きます。

    人生という険しい道を進む上で、決して忘れてはならない二つのこと。
    それは、人が本能的に求める「善」と「道」。
    彼は教え子たちに語りかけながら、まるで自身の信念を確かめるように、その言葉を紡いでいきます。

    しかし、この物語には結末がありません。
    宮沢賢治の未完の作品であるため、物語の後半は原稿が存在しません。
    それでも、その言葉のひとつひとつには、彼が伝えたかった大切な思いが込められているのです。

    知と真理を求める旅の途中にあるこの物語を、朗読を通してじっくり味わってみませんか?

    📌 ※本作は未完の作品のため、物語の後半は原稿が現存せず、朗読も途中までとなっています。

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    27 分

渡部龍朗の宮沢賢治朗読集に寄せられたリスナーの声

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