エピソード

  • 自分の漫画の「これ読みにくくない?」を防ごう! 一番簡単で誰でもすぐにできる方法は「数える」こと #204
    2025/04/07

    漫画家に限らず、プロのクリエイターにとって最も必要な能力の1つが「客観視」。しかも「描く自分」と「読者の自分」が、執筆時に同時に存在するぐらいの速度で客観視能力を持つことです。


    作品を描き上げたあと、読者目線で読み返す作業はもちろん大切ですが、それでは細かい調整などを入れることができません。求められるのは、白紙に吹き出しの枠を描いただけで、その場所の良い・悪いを判断できるぐらいのスピード感です。


    とはいえ、基本的には経験に基づいて培われる能力ですし、自分が描いた作品はどうしても贔屓目にみてしまうもの。持てと言われても、なかなか簡単には…と思ってしまったあなたに朗報です。簡単に客観視の能力を手にいれる方法、実はあるんです!


    それは、ずばり「数える」こと。数字化するだけで、完全な客観視は可能になります。


    たとえば、1つの吹き出しあたりの行数、行あたりの文字数を数えて比較するだけで、自分の漫画のセリフの文字数の多い・少ないは一発で判定可能です。


    さらに1ページの中のコマの数、吹き出しの数、1コマの中の吹き出しの数、逆に吹き出しが入ってないコマの数etc... 作品内のセリフのバランスの判定だけでも、数えるだけで多くのことを客観視できるようになります。


    もちろん経験によって自身の感覚が鍛えられることが一番ですが、それが身に付くまでの代替方法、あるいは自身の客観視能力のチェック方法として。「数える」という超・アナログ手法、ぜひ一度お試しくださいませ!

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    25 分
  • 少年漫画の原作こそ、「ビジュアル」に絶対こだわるべき理由:本気で目指すマンガ原作者への道!第8話 #203
    2025/04/04

    少年漫画の原作シナリオで賞を狙うからこそ、絶対こだわりたい2つのポイント。それは主人公の「道具(アイテム)」と「一言目(決め台詞)」です。


    まずアイテムは、キャラへの期待感や可能性を感じさせる何かをビジュアル化し、アイコニックな道具として持たせることで、文字通り主人公を「絵になる」姿にします。


    主人公の主張を象徴する何かを持たせるようにしましょう。少年漫画の編集部が求めたがる部分であり、文字だけの「原作」だからこそ、わかりやすくキャラの印象付けとして・ビジュアル方向でのプラスアルファとして、こだわりたいポイントになります。


    そして前回もお伝えしたように、主人公の一言目≒決め台詞にもこだわりましょう。記憶に残るような、キャッチーで印象的な言葉で、「このキャラいいな」と思われたら、もう勝ったようなものです。


    その台詞があることで、そのキャラの価値観・そのキャラらしい息遣いを感じられるからこそ、人間的魅力が伝わり、読者を引き込めるようになります。少年誌は絶対に「キャラ」をみる以上、こういうポイントでキャラの強度を出していきましょう!


    というわけで今週は、シリーズ8週目にして、応募締め切り前の最終収録回。ここまできたら、あとはもう提出上のトラブルに備えるだけ。「最終日は絶対何か起きる……」ぐらいの気持ちで、前日完成を目指す所存です。


    なんだかんだで2ヶ月に渡ってお届けした本企画、果たして入賞なるか、そしてそれ以前に、トラブルなく入稿できるのか。乞うご期待・・・!?

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    28 分
  • なぜ野球漫画は父親の思い出や影響が大きいのか? テーマへの「目線」で物語の構造や背景は決まる #202
    2025/04/02

    スポーツ漫画で「野球」と「それ以外のメジャー競技」が扱われる場合の大きな違い。その1つは「父親」など大人の介在の仕方ではないでしょうか。


    元プロ選手だった父親の影響を受け……という全競技共通のパターンはもちろん、父親とのキャッチボールなど、幼い頃の原体験が当たり前のように入ってくるのは、野球漫画特有と言えるかもしれません。


    作家の平野啓一郎さんは、野球は親子など「縦」のつながり、バスケは友達などの「横」のつながりから始まるスポーツだと、その違いを指摘しています。つまり、最初に一緒にプレイするのは、親なのか友達なのか。


    こういった目線で物事を捉えることは、創作をおこなうえで大切にしなければなりません。ネガティブにいえば「バイアス」かもしれませんが、自分だけの視点で世界を切り取っているとも言えるのですから。


    そんな風にして今回は、自分たちではなく平野啓一郎さんが気づいたお話を、いかにも自分たちの話っぽくゆるやかにお届けしていきます。


    ▼今回のテーマとさせていただいたお話(佐渡島さんのnote)・その人“らしさ”は、感情の記憶からはじまるhttps://www.sady-editor.com/n/ne660c538add1

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    19 分
  • 誰でも可能な一番簡単なストーリーの組み立て方! オチで何を渡したいのか、どう早めに予感させるのか #201
    2025/03/31

    ストーリーを簡単に組み立てられるようになるために、まずは「ストーリーとは何か」を知ること。それさえ知っておけば、何ページの作品であっても描けるようになるはずです。


    では、ストーリーとは何かというと、ずばり、「オチをつける」こと。そしてオチとは、読者がそれを読んだことで、何らか「良かった」「受け取った」と感じられるものを指します。


    逆に、読者に何かを渡さない限り、オチはつきません。出来事しか書いてない漫画にストーリーを感じられないのは、受け取るものが何もないからです。


    オチが複雑なものになるほど、その説明のためにページ数は長くなり、シンプルなものほど短くなります。だから作品を描く上では、「読者にこれを受け取ってほしい!」という観点から、ページ数を考えるのもいいかもしれません。


    最近の傾向として、SNSの隆盛により「この漫画を読むと何を得られるか、すぐにわかる」ことへの需要が、非常に高まっています。オチへの予感をとにかく早めに入れることは、バズの観点では1つの重要なテクニックと言えるでしょう。


    得られるものが想像できるからこそ、読まれる。逆に得られるものが何かがわからないと、読んでもらえない。そういう点も意識しながら、良いストーリーを組み立てていきましょう!

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    30 分
  • キャラと一発目のセリフに賭けろ!勝負は最初の10行で決まる:本気で目指すマンガ原作者への道!第7話 #200
    2025/03/28

    漫画の原作シナリオを書こうとすると、ついつい文字数を“削る”作業ばかり意識してしまいますが、「伝えるべき情報が伝えられていないかも?」という視点から、文字数を“足す”作業への意識も重要になります。


    特に設定や登場人物の基礎情報などは、文字から察してもらうには限界が。誤読される可能性も高いだけに、ある程度はストレートに書いてしまったほうがいいでしょう。


    むしろ削るべき対象となるのは、会話パート。「楽しさを伝えるための会話」と「物語の進行上必要な会話」の2種類のうち、前者を削って後者のみで勝負するつもりで書かないと、文字数が膨らみ過ぎて収まらなくなってしまう可能性も高くなります。


    そして受賞作とそうでない作品を分ける最大のポイントは、やはりキャラの良さと一発目のセリフ。シナリオの最初の10行程度で「面白い!」と思わせられるかどうかで、勝負は決まるはずです!


    というわけで今週は、シリーズ7週目にしてようやく初稿を持ってきたヨシキが、ようやく普通に創作上の課題や悩みについて相談・報告する回となっています。


    本来なら1ヶ月前ぐらいにやるべき内容を、締め切り前週にお届けしている制作ペースで、果たして大丈夫なのか・・・!?

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    15 分
  • 漫画を描くモチベーション「自分が描いていて楽しい感情を、いっぱい描けそうかどうか」になれば理想 #199
    2025/03/26

    漫画を描けば描くほど、好きなジャンルや形にしたいアイデアからではなく、「こういう感情を描きたい!」という気持ちから漫画を描くようになるのではないでしょうか。


    出来事やストーリーは「感情を引き出すための道具」という位置付けとなり、「自分が描いていて楽しい感情を、いっぱい描けそうかどうか」を基準に考えらるようになれば、ある種の理想的なモチベーション状態に至っていると言えそうです。


    一方で難しいのが「演出」と「構成」です。楽しみ方も難しさも全く異なるだけに、どちらを極めたいと思うのか。そして自分の作品で足りない部分、あるいは過剰になっている部分がある場合は、どちらの要素のせいなのか。自分で両方やらなければならないからこそ、漫画は難しい・・・!


    そんなお話を、今回もゆるやかにお届けしています。

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    16 分
  • なぜ主人公は無能や欠落している系のキャラが多いのか。ファンタジー漫画は「2つ目の嘘」で失敗しがち #198
    2025/03/24

    ファンタジー漫画を描くうえでは必ず守らないといけないのに、なかなか気づくことができない盲点的なルール。それは、嘘を2回入れること、です。


    そもそもファンタジーの世界とは、全て嘘で構成された世界。でも、作品内で生きるキャラたちにとって、そこは「日常」の世界になります。だからこそ、ファンタジー漫画を描く場合は、


    ・そこに描かれているファンタジーの世界はあくまでも「日常」。漫画としては、その日常の中での「非日常」を描く


    ことが、最低限のルールとなります。とはいえ難しいのは、作者はその世界を描きたいからこそファンタジー漫画を描いているわけで、非日常性はむしろノイズとなってしまう点です。


    忍者の世界で忍術が苦手な主人公を置いてしまうと、「描きたかった忍者の世界が描けなくなるな」と無意識に敬遠しているような人ほど、2つ目の嘘の沼から抜け出せなくなっているのかもしれませんよ・・・!?

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    25 分
  • 漫画力=情報を絞り込む力! 設定を説明しすぎない対策法は:本気で目指すマンガ原作者への道!第6話 #197
    2025/03/21

    漫画の原作を書こうとしている初心者なら、恐らく全員がぶつかるであろう大きな大きな壁。それが「設定を文字で説明しようとすると、長くなりすぎて字数が足りなくなる問題」です。


    もちろん、省略こそが良い原作には大事というのはわかっています。わかっていますが、書かなすぎると「コイツ、何も考えてないのでは?」と誤解されてしまうのは、と不安になってしまうのです・・・!


    とはいえ、伝えるべき・強調すべきポイントの「絞り込み」は、画でもテキストでも同様に求められるスキルの1つ。だからこそ、作者のほうで書きすぎるのではなく、読者のほうに「こういうことなんだろうな」と察してもらえる書き方を目指さないといけません。


    それこそが演出であり、作者に求められる漫画力。設定の説明ではなく、キャラ同士の掛け合いで楽しんでもらうことが本質である以上、その魅力を伝えるスキルを磨き込むしかないのです。


    逆に、普通に漫画を描いている皆さんは、あえて自分の作品を「テキストで説明する」ことに挑戦してみてもらうと、漫画力を鍛える良いトレーニングとなるかもしれません!


    というわけで今週は、「もっと早い週でそこに悩まないとおかしいのでは・・・?」と視聴者の皆さんが普通に疑問に感じそうな第6週目の報告回になっています。


    果たして、こんなペースで作品は締切までに完成するのか!?

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    24 分