エピソード

  • 内田樹|幸福論
    2024/11/22
    哲学的主題は歴史的背景によって変わる。ヒルティ、アラン、ラッセルの三大「幸福論」が一世を風靡してから、1世紀近く。いつのまにか、幸福論を正面から語ることがなくなってしまった。牧歌的時代が過ぎ、第一次世界大戦後は、多くの危機論が著された。その後、核の恐怖のもとに、人類の破滅が小説や映画で描かれるようになった。本コンテンツでは、これをディストピアの時代と位置づけ、その背景を縦横無尽に紹介してきます。スピーカーは、内田樹氏。大切なのは、気候変動、人口減といった目の前の危機を直視し、想像力を暴走させること。そのなかから、現在の社会システムの延長線ではない未来の可能性が生まれるのではないか。いま、あちこちで新しい「幸福論」の萌芽が生まれているが、これまでになかった視点を提唱する。4話分の小タイトルはこちら。

    1.今なぜ幸福論なのか? その1
    2.今なぜ幸福論なのか? その2
    3.21世紀の幸福論とは何か? その1
    4.21世紀の幸福論とは何か? その2

    著者プロフィール
    1950(昭和25)年、東京生れ。神戸女学院大学名誉教授。武道家、多田塾甲南合気会師範。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。主著に『ためらいの倫理学』『レヴィナスと愛の現象学』『ぼくの住まい論』『日本の身体』『街場の戦争論』ほか多数。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞受賞、著作活動全般に対して伊丹十三賞受賞。神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」主宰。
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    1 時間 10 分
  • 山口謠司|その日本語、だれが作ったの?
    2024/11/15
    幕末から明治にかけて、日本は怒涛の近代化を行った。日本の概念にはなかった外国語をどう説明するか。そのとき生まれた日本語が、じつは近代日本の礎を築くことになる。そして日本語による高等教育の道も開けた。愛、自由、経済・・・江戸までは、そんな言葉はなかったのだ。森鴎外、福沢諭吉など著名人だけではなく多くの天才たちが奮闘した。「日本語を作った男」の著作がある文献学者の山口謠司さんが、今普通に使われている日本語の驚きの秘話を語りつくす。6話分の小タイトルはこちら。

    1.試験
    2.自由
    3.情報
    4.愛
    5.哲学
    6.会社

    著者プロフィール
    1963(昭和38)年、長崎県佐世保市に生まれる。現在、平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。長崎県立佐世保北高等学校、大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。専門は、文献学、書誌学、日本語史など。また、ラジオパーソナリティ、イラストレーター、書家としても活動。『面白くて眠れなくなる日本語学』など著書多数。
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    1 時間 5 分
  • 津崎良典|デカルトは『方法序説』で何を言いたかったのか
    2024/11/08
    今回の「何を伝えたかったのか」シリーズでは、17世紀フランスの哲学者ルネ・デカルトの『方法序説』を解説します。カンブシュネル著『デカルトはそんなこと言ってない』の邦訳出版を機に、デカルトに対する再評価の機運が高まっています。本コンテンツでは従来の限定的で図式的な解釈を超えて、デカルトの思想の本質に迫ることを目指します。カンブシュネルの弟子であり、デカルト研究を続ける津崎良典氏を迎え、テキストに基づいた新しい解釈を通じて、「我思う、ゆえに我あり」だけでは語り尽くせないデカルト哲学の真髄へと皆さんをご案内します。6話分の小タイトルはこちら。

    1.『方法序説』第1部――デカルトの修業時代
    2.『方法序説』第2部――「方法」とは何か
    3.『方法序説』第3部――「格律」とは何か
    4.『方法序説』第4部――「我思う、ゆえに我あり」とは何か
    5.『方法序説』第5部――「人間」とは何か、さらに「動物」とは何か
    6.『方法序説』第6部――「理性」とは何のためにあるか、そして「古典」とは何か

    著者プロフィール
    1977年生まれ。哲学者、筑波大学人文社会系教授。専門は、西洋近世哲学史。国際基督教大学教養学部人文科学科卒、大阪大学大学院文学研究科文化形態論博士前期課程修了ののち、博士後期課程単位取得満期退学。渡仏後はドゥニ・カンブシュネルに師事し、2010年にパリ第一大学大学院哲学科博士課程修了、哲学博士。著書に、『デカルトの憂鬱』(扶桑社、2020年に新書化して『デカルト 魂の訓練』に改題)。翻訳書に、ロランス・ドヴィレール『デカルト』(白水社)、ドゥニ・カンブシュネル『デカルトはそんなこと言ってない』(晶文社)ほか。
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    1 時間 8 分
  • 高橋則夫|刑の重さは何で決まるのか
    2024/11/01
    「主文 被告人を懲役10年に処する」――みなさんはその根拠を考えてみたことはありますか?一体、刑の重さは何で決まるのでしょうか。今回は長年刑法学を研究してきた高橋則夫氏を迎え、量刑決定のプロセスが難解と評される刑罰システムの複雑さに焦点を当てます。社会的に注目される裁判の判決で常に議論となる刑の重さについて、刑法の世界での判断基準やポイントを整理し、解説します。刑罰とは何か、そしてどのように決定されるのか。刑罰の本質と適切な制裁のあり方を探る入門的なコンテンツとなっております。6話分の小タイトルはこちら。

    1.刑罰は何を目的としているのか
    2.犯罪の要件を考える-犯罪論の視点
    3.刑法が前提とする人間像とは何か-処遇論の視点
    4.量刑の判断基準とは何か-量刑論の視点
    5.被害者感情と被害者保護
    6.時代とともに変わりゆく刑法

    著者プロフィール
    1951年東京都生まれ。専攻は刑法。早稲田大学法学部卒業。同大学大学院博士課程修了。早稲田大学法学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。法学博士。著書に、『刑法総論』『刑法各論』『共犯体系と共犯理論』『刑法における損害回復の思想』『修復的司法の探求』『規範論と理論刑法学』(すべて成文堂)。
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    1 時間 1 分
  • 池田暁史|フロイトはなぜすごいのか
    2024/10/25
    精神分析学の創始者で、無意識の発見や夢判断のなどの理論を発明したフロイトの名前は、心理に詳しくない人でも知っています。その理論は、アンナ・フロイトやメラニー・クライン、日本だと小此木圭吾などさまざまな臨床家に受け継がれ、今なお発展しています。 本番組では、フロイトについての入門を精神科医であり、精神分析医である池田暁史先生に解説していただきます。6話分の小タイトルはこちら。

    1.フロイト登場
    2.精神分析家になる前のフロイト
    3.精神分析家フロイト
    4.中期の理論と精神分析の発展
    5.後期の理論と晩年
    6.晩年と現代への影響

    著者プロフィール
    精神科医、専門は精神分析。1972年山形県生まれ。東京大学医学部卒業、その後、東京大学医学部精神神経科入局。現在、大正大学臨床心理学部臨床心理学科教授。恵比寿にて精神分析も個人開業する。精神分析家の狩野力八郎に学ぶ。
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    1 時間 6 分
  • 大野昭彦|経済発展を学ぶために
    2024/10/18
    どうして発展が早い国と遅い国があるのでしょうか。開発経済学とは、途上国の経済分野を研究する学問です。開発経済学は、経済学の10種競技とも言われるようにその国の気候や文化、慣例、貧困や男女問題、教育、食料の問題などさまざまな要素を扱います。たとえば女性労働ひとつとっても、その社会規範に大きく影響を受け、東アジアでは女性の社会進出が活発で、南アジアは制約があったりなどします。また、アジアのいくつかの国では経済成長が低下、衰退することなどもわかっています。本番組では開発経済学者の大野明彦先生に、「国がどう経済発展をしていくのか」というテーマで語っていただきます。6話分の小タイトルはこちら。

    1.貧困とは
    2.村落共同体
    3.リスク対応と自助・共助・公助
    4.経済発展と共同体
    5.女子労働
    6.人口動態: 発展と衰退

    著者プロフィール
    1951年東京都生まれ。専攻は刑法。早稲田大学法学部卒業。同大学大学院博士課程修了。早稲田大学法学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。法学博士。著書に、『刑法総論』『刑法各論』『共犯体系と共犯理論』『刑法における損害回復の思想』『修復的司法の探求』『規範論と理論刑法学』(すべて成文堂)。
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    56 分
  • 谷口功一|J.S.ミルは『自由論』で何を言いたかったのか
    2024/10/11
    今回の「何を言いたかったのか」シリーズでは、J.S.ミルの『自由論』について解説します。ミルは「自由」と「自由主義」を探求し、特に個人の自由と社会の関係について深く論じました。東京都立大学法学部教授の谷口功一氏をお招きし、新自由主義やコロナ禍における自由の制限など現代にも通じる重要なテーマを交えて解説いただきます。6話分の小タイトルはこちら。

    1.ミルとはどんな人だったのか
    2.『自由論』というテキストとその背景
    3.危害原理とパターナリズム
    4.思想と討論の自由
    5.もうひとりのミル
    6.いま『自由論』を読み返してみる意義とは

    著者プロフィール
    1973年生まれ。東京都立大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。著書に『立法者・性・文明』(白水社)、『ショッピングモールの法哲学:市場、共同体、そして徳』(白水社)、『日本の夜の公共圏:スナック研究序説』(共編著、白水社)、『逞しきリベラリストとその批判者たち:井上達夫の法哲学』(共編著、ナカニシヤ出版)、『ゾンビ襲来:国際政治理論で、その日に備える』(共訳、白水社)など。
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    1 時間 4 分
  • 斎藤幸平|マルクスは『資本論』でなにを言いたかったのか
    2024/10/04
    今回の「何を伝えたかったのか」シリーズでは、カール・マルクスの大著『資本論』を解説します。著作『人新世の「資本論」』で、その複雑で長大な『資本論』を一般読者にも理解しやすく新解釈し、単なる経済学の古典を超えた意義を明らかにしたことで注目を集めた斎藤幸平氏を迎え、厳密な論理と鋭い洞察に基づいた新しい『資本論』解釈を通じて、皆さんを資本主義の本質へとご案内します。6話分の小タイトルはこちら。

    1.商品と富について
    2.構想と実行の分離
    3.新NISAと魂の包摂
    4.マルクスのエコロジーについて
    5.脱成長コミュニズム
    6.資本主義は非民主的である

    著者プロフィール
    東京大学准教授。1987年東京生まれ。ウェズリアン大学卒業、ベルリン自由大学哲学科修士課程・フンボルト大学哲学科博士課程修了。大阪市立大学准教授を経て現職。著書に『大洪水の前に――マルクスと惑星の物質代謝』(堀之内出版・角川ソフィア文庫)、『人新世の「資本論」』(集英社新書)、『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)など。
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    1 時間 7 分