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サマリー
あらすじ・解説
37冊目「ふつうの相談」(東畑開人さん)について語る3回目。
今回はキーワード「星野は預かりたい」について話していきます。
書籍「ふつうの相談」には、こんなことが書かれていました。
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(以下、趣旨まとめ)
現在の心のケア業界では、苦悩する人たちの状況に合わせた療法が実施されているとは言い難い。
その要因は、1人の臨床家が2つの療法のスペシャリストになる労力が大きいことと、臨床家のキャパシティを越えた相談ニーズがあることが挙げられる。
だが、ケアに関わる人の大きな社会的役割の一つは、適した療法を提供できなかったとしても、まず自分が相談者の悩みを預かることである。
(以上)
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心のケア業界の現状はさておき(!)、星野個人としてこの役割に関する表現に響いてしまったのでした。
ふつうの相談として親身にお話できる方に巡り合いづらい世の中。
たとえ付け焼刃だったとしても自分の悩みを預かってくれる人の存在のありがたさ。
これを相談する側として切実に感じてきたからこそ、自分もそういう存在になりたいのでは、と思うのです。
もちろん専門家が必要な状況があるのは承知の上で、とは言えそこへのエスカレーションまでできたらいいなぁと。
一時避難所のようなイメージですね。
東畑さんの本には、こうしたビビビポイントがそこら中にちりばめられている印象です。
本の趣旨ドンピシャのお話ではないのですが、こんな観点からもおすすめの本でございました。
社会の流れには逆行するのかもしれませんが、個人ができることをもっと復活させて相互扶助コミュニティをもう一度復権させたいな、と考えております。
ふつうの相談も承っていく名もなき野良相談役として、熟練度を上げていきたいと思う所存です。