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サマリー
あらすじ・解説
今回は3つ目のキーワード「横道の意義とは」を軸にお話ししていきます。
星野としては、リスナーの方々もこの内容には興味を持つ人が多いのではないかと思っておりますが、どうでしょうか。
扱っている「ふつうの相談」(東畑開人さん)ですが、この本の構成、少し変わっているんです。
地の文章とは体裁を変えた「小さなフォント」が織り交ぜられています。
本論が展開される地の文章と、著者の東畑さんがおそらく思いついたであろう横道話が「小さなフォント」でつづられ、ページが進んでいきます。
星野は主にこの「小さなフォント」で書かれた内容にズキュンズキュンと撃ち抜かれていきました。
実はこの構成、中井久夫さんの「治療文化論」をオマージュして意図的につくられていたことが、本の最後に東畑さんから語られます。
この本の中でも語られている「臨床を日常的な文脈、人間的な文脈で捉える観点」が、こういう構成を生み出している、と思いました。
読書の時間でも扱ったTakram渡邉康太郎さんの「コンテクストデザイン」で触れられていた、「弱い文脈」も思い出されました。
強さや正しさを備えた本論も、矛盾や曖昧さを「小さなフォント」で添えながら伝えることで、きっと届く先は広く大きくなる。そんなことも感じたわけです。
ところで。
粟野さんが藤井風を聞いていることを知って意外な星野でした。よく知っていると思っている人にも、まだまだ見えていない面はたくさんあるんでしょうね。
みなさま、ともに周りの人を掘り続けましょう。