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  • きりしとほろ上人伝

  • 著者: 芥川 龍之介
  • ナレーター: 野口 晃
  • 再生時間: 48 分
  • 3.8 out of 5 stars (6件のカスタマーレビュー)

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きりしとほろ上人伝

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あらすじ・解説

代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。
才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。
そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。
次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。
その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。
芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。
また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。


遠い昔のことでおぢやる。「しりあ」の国の山奥に、「れぷろぼす」と申す山男がおぢやつた。
その頃「れぷろぼす」ほどな大男は、御主の日輪の照らさせ給ふ天が下はひろしと云へ、絶えて一人もおりなかつたと申す。まづ身の丈は三丈あまりもおぢやらうか。葡萄蔓かとも見ゆる髪の中には、いたいけな四十雀が何羽とも知れず巣食うて居つた。
まいて手足はさながら深山の松檜にまがうて、足音は七つの谷々にも谺するばかりでおぢやる。さればその日の糧を猟らうにも、鹿熊なんどのたぐひをとりひしぐは、指の先の一ひねりぢや。又は折ふし海べに下り立つて、すなどらうと思ふ時も、海松房ほどな髯の垂れた顋をひたと砂につけて、ある程の水を一吸ひ吸へば、鯛も鰹も尾鰭をふるうて、ざはざはと口へ流れこんだ。
ぢやによつて沖を通る廻船さへ、時ならぬ潮のさしひきに漂はされて、水夫楫取の慌てふためく事もおぢやつたと申し伝へた……
©2022 PanRolling

きりしとほろ上人伝に寄せられたリスナーの声

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この作品を聞けて本当によかったです。世界にも入りやすかったです。

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不思議な世界観

キリスト教の話だけど語りは古風な日本語で、なんだか不思議な世界観でした。
でもそんなところも芥川のユーモアが溢れている気がします。

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童話の雰囲気


ラストに向かって、色々な人の元で修行をしていたとも感じられる。どんな人のそばに居るかは、自分でしっかり見極めたいですね。

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和洋折衷?

表現は日本で題材が西洋なのでちょっと混乱する感じがしますが、それが面白かったです。

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面白いつくり

西洋の神話を芥川風に書き起こした感じでしょうか。
やや猪突猛進の様にも見えるれぷろぼすですが、最後には少年漫画の主人公の様なシーンを見せてくれます。

名の知れた作家はいつの時代も、色々な挑戦をしていたんだなぁと思いました。

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キリスト教の話し

西洋風なのに不思議な感じ。キリスト教の話を芥川流にアレンジしてて面白い。

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