『お辞儀』のカバーアート

お辞儀

プレビューの再生

Audibleプレミアムプラン30日間無料体験

プレミアムプランを無料で試す
オーディオブック・ポッドキャスト・オリジナル作品など数十万以上の対象作品が聴き放題。
オーディオブックをお得な会員価格で購入できます。
30日間の無料体験後は月額¥1500で自動更新します。いつでも退会できます。

お辞儀

著者: 芥川 龍之介
ナレーター: 斉藤 範子
プレミアムプランを無料で試す

30日間の無料体験後は月額¥1500で自動更新します。いつでも退会できます。

¥500 で購入

¥500 で購入

このコンテンツについて

代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。
才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。
そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。
次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。
その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。
芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。
また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。


保吉は三十になったばかりである。その上あらゆる売文業者のように、目まぐるしい生活を営んでいる。だから「明日」は考えても「昨日」は滅多に考えない。
しかし往来を歩いていたり、原稿用紙に向っていたり、電車に乗っていたりする間にふと過去の一情景を鮮かに思い浮べることがある。それは従来の経験によると、たいてい嗅覚の刺戟から聯想を生ずる結果らしい。そのまた嗅覚の刺戟なるものも都会に住んでいる悲しさには悪臭と呼ばれる匂ばかりである。たとえば汽車の煤煙の匂は何人も嗅ぎたいと思うはずはない。けれどもあるお嬢さんの記憶、――五六年前に顔を合せたあるお嬢さんの記憶などはあの匂を嗅ぎさえすれば、煙突から迸る火花のようにたちまちよみがえって来るのである。
このお嬢さんに遇ったのはある避暑地の停車場である。あるいはもっと厳密に云えば、あの停車場のプラットフォオムである。当時その避暑地に住んでいた彼は、雨が降っても、風が吹いても、午前は八時発の下り列車に乗り、午後は四時二十分着の上り列車を降りるのを常としていた……©2022 PanRolling
世界文学 歴史小説
すべて表示
最も関連性の高い  
SNS等での出会いやコミュニケーションが当たり前になっている今、こういうお話はノスタルジックで良いです。

古き良き

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

保吉はとりあえず女の子を見たらまず素直に可愛いと思ってあげて欲しいです。

でもしっかりとお嬢さんの事を悶々と思っているところはいいですね。

一つ一つの描写がとても大事にされている作品だと思いました。

割と現代チックに感じます

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

オーディオブックのおかげで、すんなりと世界に入ることができました。よかったです。

よかったです

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

恥ずかしさもわかるし、甘酸っぱいなと思う。学生の頃に見てたら、同じ気持ちになっていたのだろうか…こんな青春おくってないからないな(笑)

甘酸っっっっぱぁい

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。

女の子の容姿の描写が村上春樹的だが。
隙間のない現代だから、こうやって誰かに思いを馳せて埋める時間ていいなぁと思いますね。

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。


想像していたよりも可愛らしい話で良かったです。お辞儀くらいのことでドキドキする部分は、保吉の人柄が分かって良いなと思いました。

タイトルから

問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。