『高橋御山人の百社巡礼/其之十八 セックスから神社を読み解く(特別対談後編)』のカバーアート

高橋御山人の百社巡礼/其之十八 セックスから神社を読み解く(特別対談後編)

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高橋御山人の百社巡礼/其之十八 セックスから神社を読み解く(特別対談後編)

著者: 高橋 御山人
ナレーター: 高橋 御山人
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このコンテンツについて

根源的な宗教、信仰では、シャーマンによる神憑りが重視され、 神が己の内に入る神憑りは、セックスと極めて近い性質があるものとされた。 さればこそ、巫女やシャーマンの多くは女性なのである。 即ち、女性には神性があると、古来より考えられて来た。 一方、神社には女性の巫女に対し、男性の神主がいる。 洋の東西を問わず、シャーマンが女性であるのに対し、聖職者の主体は男性だ。 これは、シャーマンを重視する古代のカオスな信仰が、 文明的な、秩序立ったコスモスの宗教へと変化していった結果である。 日本においては、卑弥呼のようなシャーマンの信仰が、律令制の施行を経て、 当時の先進国である隋・唐から見て文明的ととらえ得る、秩序立った宗教へ変化する。 現代まで続く神主の服制が、平安時代の官吏の服制に準ずることもそれを物語る。 しかし、そこからはみ出した卑弥呼的シャーマンの継承者達もいた。 体制に「まつろわぬ」人々が、「歩き巫女」のような漂泊のシャーマンであり、 津軽のイタコや吉備津のアゾメは、現代まで残った彼女達の末裔である。 伝承の「土蜘蛛」や「鬼女紅葉」等、シャーマン的女性には「まつろわぬ」風があるが、 それはカオスで根源的な神との一体化を司る女性シャーマンが、 秩序立った文明的男性の宗教に「まつろわぬ」からだ。 神とは不条理である。だからこそ信仰される。理屈の通じない、不条理な自然に対し、 災いなく、恵みをもたらすように祈るのが、信仰、宗教の原点である。 そうした神と通ずる女性というのも、男性から見れば不条理である。 その不条理を克服し、秩序立った文明社会を築こうとするのは、男性的だ。 シャーマンから離れて行った人類社会の歴史の主役は、男性であった。 だが、この二つのどちらか片方だけでは、限界が来て、社会が破綻する。 この二つがせめぎ合いつつも、両輪となることで、社会が維持発展出来るのではないか。 指摘されて久しい「現代社会の閉塞」を克服するにも、その両輪が必要なのではないか。 日本においては、その両輪の結節点の象徴が、神社なのかもしれない。 「セックス」即ち「性別」から神社、神道を読み解く特別対談後編。 語り:高橋御山人 聞き役:盛池雄峰(C)2015 リブラ・エージェンシー 旅行記・解説

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