『雪の上の霜』のカバーアート

雪の上の霜

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雪の上の霜

著者: 山本 周五郎
ナレーター: 斉藤 範子
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このコンテンツについて

     <内容紹介>
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
 

    <あらすじ>
病床の妻のおたよは、良人・伊兵衛の眼をじっと見つめた。良人は稀な才能をもっている。学問は朱子、陽明、老子に及び、武芸は刀法から槍、薙刀、弓、柔術……しかもそれらの武芸は無類の腕で、どの一つをとっても第一級の師範になれる。だがその反面、良人の性質はひとに抵抗ができず、自分のことよりはひとの立場を先に考える。こういう性分のために、代々二百五十石で使えていた主家を浪人し、以来七年あまり、おたよと共に放浪の旅を続けている。このあいだに幾たびとなく、その才能を認められて、仕官できそうな機会があったが、その性質のため結局は一つも実現しなかった……
だが今回、槍術家の小室青岳に槍の稽古をつけて欲しいと乞われ、よければ道場に住み込みでと勧められる。おたよと相談の上、伊兵衛はその話を受けるのだが……
 

    <山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)>
1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。    

©2018 Pan Rolling
歴史小説

雪の上の霜に寄せられたリスナーの声

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「雨あがる」の続編

優しいおひとよしな伊兵衛。武術の達人であるが、その性格のせいで浪人に。。。
もどかしい性格ではありますが、結構好きなキャラです。
前編「雨あがる」と同じナレータなので、すぐに物語に入り込むことができました。

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人情時代劇

『雨あがる』とセットで楽しめました。語りも相まって、やさしい時代劇感が良いです。

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優しい世界

主人公の人柄の良さがよく伝わって、優しさが溢れた作品。
「雨あがる」も好きですが、続編のこちらも好きです。

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とても面白かったです。

主人公は文武両道の侍なのですが、
あまりにも人がよくて、職を得ることができません。
妻もそういう夫を良く理解しています。
心温まるおはなしです。
しかも、落語を聴いているかのような錯覚に陥るほどの
可笑しみがあります。
ナレーターのかたも市原悦子さんのように色々な声音を
使い、この小説の良さをさらに高めてくれています。

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伊兵衛はやはり伊兵衛。だが、そこが良い。

「雨あがる」の主人公、三沢伊兵衛の話。
やさし過ぎ、謙虚な性格ゆえに、せっかくの武芸の腕がありながら身を立てられない。しかし、やさしい男だが、信念は強い。許せないものは許せない。それを「雪の上に霜を加えるが如き努力」と言われるが、それでも貫く男気はすがすがしいものがある。男とは、かくありたいものである。

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ラストは清々しい


せっかく武芸の達人なのだから、もう少し上手くやれれば職も決まりそうなのに……ともどかしい気持ちにさせられる。
謙虚で優しい人柄には、惹かれるものがあります。

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