将監さまの細道
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ナレーター:
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斉藤 範子
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著者:
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山本 周五郎
このコンテンツについて
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
おひろは病気の夫・利助と四つになる子供の政次を養うために、岡場所の「染井家」で体を売っていた。夫や近所の人には、料理茶屋で働いていると言い、昼に出て夜遅くに帰るという生活を一年近く続けていた。
染井家では三人の女にいびられながらも、「どうしようもない」ことと自分に言い聞かせて日々を過ごしていた。
だが、その中で出会った心優しい客の存在に、幼馴染の常吉の姿を重ね、心を救われていた。
だが、ある日のこと、岡っ引きがおひろの家を訪れ、おひろは利助の前で体を売っていることを明かされてしまう。だが、それよりも衝撃だったのは、夫がそれを知っていた上で、金のために口をつぐんでいたことだった。利助が不義理をしていることも察したおひろは、うちに帰る気にもなれなかった。
「五十年まえ、――そして五十年あと、……おんなしこったわ」
その足で向かった染井家に一人の客がおひろを名指しでやってきた。その客は昨夜の客の友達であり、おひろのことを探して続けていた常吉だったのだ……©2020 PanRolling
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お秋は村次とは腐れ縁だった。十八の頃に出会ってからはや九年、仕事がものになれば、お秋を苦界の商売から足を洗わせてやる……何度もそう言われ続け、お秋は彼との縁を切れずにいた。その一方で船宿の船頭である藤吉には強く思いを寄せられ、一緒になろうと迫られていたが、村次のこともあり、お秋は断り続けていた。
ある日、店にはおせんという十七の娘がやって来た。借金を抜いて一人が店を出ることになった代わりだった。お秋は世話をしてやり、おせんを気に掛けるが、一方のおせんはなかなかお秋に懐こうとしなかった。
そしてある日、村次が「商売がうまく行かなかった」と、お秋に鞍替えの話を持って来た時、女主人はお秋に対して、おせんの身の上を話すのだった。それはお秋が思ってもみない残酷な真実だった……
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ある日、店にはおせんという十七の娘がやって来た。借金を抜いて一人が店を出ることになった代わりだった。お秋は世話をしてやり、おせんを気に掛けるが、一方のおせんはなかなかお秋に懐こうとしなかった。
そしてある日、村次が「商売がうまく行かなかった」と、お秋に鞍替えの話を持って来た時、女主人はお秋に対して、おせんの身の上を話すのだった。それはお秋が思ってもみない残酷な真実だった……
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