• ep43-3「汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考」(酒井朋子さん・奥田太郎さん・中村沙絵さん・福永真弓さん)/豊かさとは、汚わいだったかもしれない
    2025/06/06

    <今回の選書>

    『汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考』(酒井朋子さん・奥田太郎さん・中村沙絵さん・福永真弓さん)
    『人生の経営戦略』(山口周さん)


    こんにちは、ホシノです。前回に続き、アワノさんが選んでくれた『汚穢(おわい)のリズム』から。今回は、東京大学の福永真弓さんによる瀬戸内海のエッセイに関するお話を皮切りに。リンや窒素を極限まで取り除いた「透明な海」が、漁師たちにとっては「豊かさを失った海」だったという逆説的な実話をもとに、「きれい/汚い」の二元論では捉えきれない“豊かさ”について考えます。

    他にもホヤや雑草、介護施設、写真家の母の下着まで多岐にわたる対象をもとに汚わいを扱っていきます。一見「グロテスク」とされるものをどう受け入れるか、言葉や文化に刻まれた「汚わい」とどう向き合うか。そして収録後半では、アワノさん自身がこの本に支えられたという、倫理観や仕事観の揺らぎについての語りも聞きどころです。

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    16 分
  • ep43-2 「汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考」(酒井朋子さん・奥田太郎さん・中村沙絵さん・福永真弓さん)/たまご程生命を表している存在はない・サトシは鼻水で蘇るのか?
    2025/05/30

    <今回の選書>

    「汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考」(酒井朋子さん・奥田太郎さん・中村沙絵さん・福永真弓さん)

    「人生の経営戦略」(山口周さん)

    こんにちは、ホシノです。今回はアワノさんが選んでくれた『汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考』から。沖縄で戦前96%の家庭で当たり前に飼われていた自家用豚が産業化とともに「汚れ扱い」されるに至った文化的移ろいについてと、「膜を破って中身を受け入れること=食べる行為」という視点で「漏れる」ことこそが生命の根源だと説く章を掘り下げます。沖縄のティビチ文化に見るディタッチメント問題から、台所の残飯やピクニックのシートと土の境界、たまご問題まで、僕自身が日常で感じる「汚い」への距離感がひっくり返される体験も含め、話しています。

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    22 分
  • ep43-1 「汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考」「人生の経営戦略」/後悔することありますか?・ご縁に任せない時代
    2025/05/29

    <今回の選書>

    「汚穢(おわい)のリズム きたなさ・おぞましさの生活考」(酒井朋子さん・奥田太郎さん・中村沙絵さん・福永真弓さん)

    「人生の経営戦略」(山口周さん)

    こんにちは、ホシノです。自社のHPには「迷子、より道、遠まわり」というキーワードを入れています。後悔することって意外と多くない感じもするのですが、意図せず誰かを傷つけてしまったことだけは心に残ってしまっています。そんな冒頭の会話の後、今回の選書をお互い紹介。「汚穢(おわい)」というキーワードを扱った「汚穢のリズム きたなさ・おぞましさの生活考」を選んだアワノさん。いつもとは違いメジャーな本「人生の経営戦略」を選んだホシノ。いつもとはまた違った観点での選書ですが、次回以降内容と感じたことを話し合っていきたいと思います。

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    16 分
  • ep42-5「それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史」(会田 弘継さん)/ロシアとアメリカに通じるもの・ポケモン世界戦争
    2025/05/16

    どうも、星野です。

    『それでもなぜ、トランプは支持されるのか』の後編、今回は「怒りの構造」というテーマで話してもらいました。


    トランプ支持の背景にあるのは、不満や格差だけじゃなく、「自分たちはいじめられてきた」という感覚。それ、ロシアの今ともすごく似てる。納得。


    アメリカの「いじめられた白人」と、自由主義を押しつけられたロシア。どっちも「奪われた側」であり、だからこそ反発し、共鳴しあう構造がある。


    そう考えると、終わらない連鎖がこれからも続いていくことになりそうで、争いを続ける人間の業の深さを思い知ります。


    もし戦いが続くのなら、せめてポケモンとかeスポーツとか、人が死なない手段に変えていけたら、なんて話まで飛んだりしています。


    重たいテーマなんだけど、今回視点を飛ばしたように、少しでも多面的に考えられるように訓練していきたいものですね。



    一見、馬鹿だと思ってた人にも、背景がある。

    一度知ってしまうと、見方はガラッと変わるもんですね。


    シリーズ42も、聴いてくださった皆様、ありがとうございました。

    次回はまた、新しい1冊(×2)を紹介していきます!

    お楽しみに!

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    13 分
  • ep42-4 「それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史」(会田 弘継)/ゴジラと怨念と中間層
    2025/05/09

    どうも、星野です。
    今回はガラッと前回と空気を変えまして、アワノさんの読書の時間。紹介してくれたのは「それでもなぜトランプは支持されるのか」(会田 弘継さん)です。


    前回の「おにぎりと潮汁の話」から一転、「アメリカの分断と政治的怨念の話」へ。今世界中が注目しているあの人についてメタに捉え直すお話。人間の視点も大事ですが、こうした大局的に見る視点も大事でしたな、と改めて思いました。


    「トランプはゴジラだ」っていう例えは衝撃でしたが、怨念や不満が形をとって現れたのが彼なんだと。つまり「結果」としてのトランプ政権。流れを聞かせてもらうと納得しますよね。
    そして意外だったのが、中間層の資産が一番現象したのはオバマ政権時代で、増えたのがトランプ政権時代だったという話。世間のイメージとは違う側面についてもお話しいただきました。


    勢力争いにより焦点があてられる層が異動していく構図、格差の広がりによる怨念の蓄積。
    「なんでそんな人を選ぶの?バカなの?」っていう問いが、少しずつ解かれていく回だったと思います。

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    30 分
  • 【番外編 告知】文学フリマ東京40出店のお知らせ
    2025/05/08

    いつも番組をお聞きいただいている皆さま、ありがとうございます!

    実は、来たる2025年5月11日(日)東京ビッグサイトで開催される「文学フリマ東京 40」に出店することになりました。



    もし当日お時間がある方がいらっしゃれば、ぜひ下記ブースまでお立ち寄りください。

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    南棟(上階)3・4ホール「そー43・44」

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    おそらくホシノが店番をしていると思いますので「読書の時間聞いてるよー!」とお声がけいただければ!

    何かしら日ごろの感謝のお気持ちをお伝えさせていただければと思います!


    (※ちなみにアワノさんは当日は別件があるため不参加です)

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    5 分
  • ep42-3「いのちをむすぶ」(佐藤初女さん)/動いて染みて、日常を未来にする
    2025/05/02

    どうも、ホシノです。
    佐藤初女さんの『いのちをむすぶ』を取り上げています。今回は、著書の中に出てくる言葉たちを読みながら、アワノさんと一緒にあれこれ考えてみました。

    「人に人は癒せない」「気づいたら動きなさい」「最後に望むのは日常の繰り返し」
    シンプルなんだけど、反省させられるといいますか…。煮物に例えて「しばしとどまることの大切さ」を語るあたり、いいですよね。


    「動け」でも「止まってもいいじゃない」「言葉を超えていけ」わかりやすい結局一貫性みたいなものはない気もするんです。きっと、佐藤さんなりにご自身の葛藤と調整の中から残してこられた指針なんだろうなあと思いました。


    自分たちなりのこうした指針を一つずつつくっていくのがだいじなのでしょうな、と。


    気づいたことがあったら、まずは動く。言葉をこねくり回す前に。
    星野はこれ。反省も込めて、自分に言い聞かせてます。


    あと、佐藤さんの「食」にまつわるエピソードもすごく良いんです。
    学生時代、寝込んでいたときに飲んだ桜鯛の潮汁が、生きる意欲を取り戻すきっかけになったという話。


    本もいいけど、ガイアシンフォニー龍村監督と佐藤さんがお話されてる映像もぜひ。
    言葉を超えた佐藤さんのやさしさみたいなものが、感じられると思います。(ホシノはなにやら、そんなものを感じました!)

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  • ep42-2「いのちをむすぶ」(佐藤初女)/おにぎりの人・読むと聞くで変わる印象
    2025/04/25

    「おにぎりの人」として記憶されている方も多いのでは?

    今回星野が扱う本は「いのちを結ぶ」(佐藤初女さん)。写真エッセイ、です。


    前々からちゃんと知ろう、とは思っていた方ではあるのですが、ようやく今回機会が来ました。まずは今回でざっと佐藤さんの概要をお伝えしています。


    ちなみに、佐藤さんを知ろうとする行動の中で面白かった体験がありました。文章で書かれたことを読むだけでは、「少し古い時代の道徳観だな」なんて感じていた内容が、動画で話している姿を見たり、佐藤さんの波乱万丈な人生を知ったりした上で改めて触れるとすんなりと受け入れられるようになったのです。


    自分が持っている偏見メガネの影響なのか、それとも声色や表情などを直感的に受容する感覚器の影響なのか、正確なところはわかりませんが、受け取り方がガラッと変わる、面白い体験でした。


    皆さんにもそんな前提を持った上で聞いてほしいと思い、少したっぷり目に説明していますので、ぜひ我慢して聞いてくださいませ!


    次回は、佐藤さんについて特に気になった点をお話いたします!

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    22 分