『夢の浮橋(P+D BOOKS)』のカバーアート

夢の浮橋(P+D BOOKS)

(小学館)

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夢の浮橋(P+D BOOKS)

著者: 倉橋由美子
ナレーター: 村岡 希美
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このコンテンツについて

大学で知り合い愛し合うようになった一組の若い男女。だが、期せずして自分たちの両親が、夫婦交換遊戯を長年にわたって続けてきたことに気づいてしまう。結婚を夢見る男女と、一方で両親たちが繰り広げる艶麗な恋愛譚を通じ、生涯“物語文学”を追求し続けた倉橋由美子が、古代神話、源氏物語等の系譜を織り込んだ意欲作。倉橋文学後期を代表する「桂子さんシリーズ」の第一弾である。解説は倉橋文学研究の第一人者である古屋美登里氏。©2017 Sayaka Kumagai (P)小学館 現代文学

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この世界にもっとひたっていたかった。

この本は1971年に出版された本らしい。今は2023年8月狂暑。昭和46年頃?に青春を送る女性の恋愛→お見合い→結婚を描く物語、というと通俗的に見えるが、内容はオリンポスの神々のような上流階級が夢の浮橋(彼岸?アクメ?)と現実の境で漂う様、モラルとインモラル(swapping、虚無)の切実な対比や、散りばめられた「昭和」の教養(大人のあるべき姿)とある意味極北としても描かれる全共闘のデモ(汚らしい小児的な人間として批判されている)など時代を喝破しつつも、典雅な文体・内容に酔わされる。この世界にもっとひたっていたいので、オーディブルで更なる倉橋作品の充実をお願いしたい。昭和の教養は過去の遺物として現代では「センスあるない」などのテレビ番組で笑いのタネにされてるだけだが、50年前のマジな教養の片鱗を垣間見れて本当に面白かった。とりあえず2024年3月の能楽堂で行われる予定の鸚鵡小町 (おうむこまち)はぜひ見に行きたい。

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