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[4巻] 紀行文学名作選 田山花袋〈山陽、四国、九州編〉 4
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収録内容
<山陽・四国・九州>
・岡山(津山、岡山、後楽園)
交通の要衝、津山、戦国時代を生き抜いた岡山、大きな自然の中に小さな自然があるような後楽園。
・広島(尾道、厳島)
絹地に描かれた絵画のような厳島神社。
・山口(錦帯橋、下関)
壇ノ浦の底知れぬ哀しさは、時代を超えて今も漂う。
・愛媛(松山、道後温泉)
南国気分漂う海岸平野。
・香川(髙松、屋島、金毘羅宮)
源平の戦いを彷彿とさせる讃岐、屋島、名高い流行神、金毘羅宮。
・徳島(徳島、吉野川)
大河・吉野川の流域に広がる豊穣な土地、四国の主峰・剣山周辺。
・高知(物部川、甲浦)
土佐日記の舞台、物部川、宇多の松原、手結の山。佐賀の乱の江藤新平が捕らえられた阿波境の港町、甲浦。
・福岡(八幡製鉄所、福岡、太宰府)
古の栄耀栄華を伝える香椎の宮、菅公の太宰府天満宮。
<九州>
・熊本(田原坂、熊本城、水前寺公園、阿蘇山)
西南戦争の激戦地・田原坂、清正の名城・熊本城、阿蘇活火山。
・鹿児島(国分、桜島、川内、池田湖、開聞岳、大隅半島、志布志)
明治維新を成した烈しき薩摩は、風光明媚な静かな場所でもある。
・宮崎(鵜戸神宮、宮崎、青島、延岡)
宮崎には山にも海にも大きな神様が住んでいる。
・大分(別府、耶馬渓、英彦山)
海の幸、山の幸を備えた別府温泉、噴煙ならぬ香煙絶えぬ彦山神社。
・佐賀(佐賀、唐津、呼子港、名護屋城)
三千年に亘り鎮座する田島神社。
・長崎(温泉岳、長崎、南島)
外国人は«庭園のような国»と褒めたが、風景の美だけでなく、日本はここから<近代>をスタートさせていった。©国書刊行会
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今も昔もそれ程、人の進化はしていない。
- 投稿者: おりゅう 日付: 2023/04/21
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- 再生時間: 33 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
霞ヶ浦と北浦に挟まれた、茨城県南部の行方市。古より行方郡と呼ばれ、常陸国風土記にも、沢山の物語が掲載されている地である。その一つに「夜刀神」の物語がある。継体天皇の時代、箭括氏麻多智(やはずのうじまたち)が、谷あいの土地を開墾し田としようとしたところ、頭に角のある蛇「夜刀神(やとのかみ)」が沢山現れ、妨害した。そこで麻多智は夜刀神を打ち殺して追い払った。そして山と田との境界の堀に杖を立て、山を夜刀神の土地、田を人の土地とすることを宣言し、麻多智が子々孫々神として祭ることとした。さらに、孝徳天皇の時代、壬生連麿(みぶのむらじまろ)が、この谷の池に堤を築こうとした時には、池のほとりの椎の木の上に夜刀神が群がって登り、去ろうとしなかったので、壬生連麿が工事で使役していた人々に打ち殺すよう命ずると、逃げ隠れた。このような話が書かれている。麻多智が神を祭った場所は、行方市玉造の愛宕神社と言われており、その手前に湧く泉が、壬生連麿が堤を築こうとした「椎井の池」だという。謎多き夜刀神の伝承であるが、同じ風土記の行方郡の記事には、数多くの「まつろわぬ民」が登場し、彼らとの関係が窺われる。また、彼らを討つ日本武尊の記述も多いが、風土記では日本武尊を「天皇」としている。物語に託された古の人々の魂を読み解く。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之九拾 まつろわぬ「鬼」達 日本史の裏側(特別対談)
- 作品の多くに共通するテーマ「まつろわぬ民」や「鬼」。その頂点に「天皇」が!!
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 43 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
本シリーズも第九十社。テーマは言うまでもなく「神社」だが、作品の多くに共通するテーマとして「まつろわぬ民」や「鬼」がある。それは高橋御山人が長年運営しているWEBサイト「邪神大神宮」のテーマでもある。いずれも朝廷や幕府といった時々の権力に容易には従わなかった人々であり、本シリーズは第一社からしてアテルイがテーマで、各地の土蜘蛛を度々取り上げ、鬼女紅葉、酒呑童子、温羅等、「鬼」そのものも数多く紹介した。隼人の首領とされる弥五郎どんや、飛騨の両面宿儺等、「まつろわぬ」族長の影が濃い存在も登場している。傀儡子師や木地師といった、非農耕非定住の漂泊民も取り上げた。彼らも農耕定住を基盤とする日本の歴史的統治体系からすれば、一種の「アウトサイダー」であり、「まつろわぬ民」や「鬼」につながっている。非農耕の産鉄民をテーマとした回もあるが、農耕民から異様に見られた彼らは、「鬼」のルーツの一つである。こうして振り返ってみると、その一つの極、頂点に、後醍醐天皇という存在が浮かび上がって来る。天皇という体制の頂点にありながら、体制を破壊し再構築しようとした後醍醐天皇こそ、究極の「まつろわぬ」存在であり、「鬼」ではないか。そしてそれは、一般の認識とは異なる「天皇制」の別側面の象徴でもあった。「日本史の裏側」を透視する特別対談。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之五拾六 東京にも残る古代の石神信仰 ルーツは諏訪に
- 東日本に残る古代信仰「石神」、その根源は諏訪の「ミシャグジ神」にあった
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 29 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
高橋御山人が毎日通る道沿いに鎮座する、東京都板橋区の天祖神社。その境内には「天孫降臨の頃」より存在したという男根型の石「おしわぶきさま」が祀られている。それは柳田國男の「石神問答」で指摘された、古代より東日本に広がっている「石神」である。そこからそう遠くない、練馬区石神井の石神井神社には「神代以前の石剣」を御神体とする石神井神社があるが、この石神井という地名も「石神」信仰に由来するものという。そして、各地に残る石神信仰のルーツを遡って行くと、諏訪の土着神「ミシャグジ神」の信仰へと辿り着く。それは、精霊崇拝的な原始信仰であり、近代以前は「神長官(じんちょうがん)」の役職を世襲する守矢家がその祭祀を司った。諏訪には、記紀神話とは異なる神話も伝わっており、守矢家は、皇室と同等の古さを誇る家だという。そのような原初的な信仰を伝える諏訪の祭祀には、串刺しにした兎や、鹿の生首を大量に供える血生臭いものもあり、諏訪大社は、仏教の教理に基づき建前上肉食禁止であった中世の日本において、狩猟と肉食の許可状を発行する唯一の神社でもあった。諏訪は、縄文文化が栄えた地でもあるが、諏訪大社の狩猟との関連は、狩猟が盛んだった縄文由来のものとも言われる。「平地」とは異なる「山」の原初的信仰と、そのセンターである諏訪について考察する。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之七拾参 福岡・朝倉 古代の鳥人 羽白熊鷲
- 日本書紀に現れる、翼を持って空を飛んだという人物・羽白熊鷲 古代九州の鳥人伝説
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 33 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
日本書紀には、羽白熊鷲(はじろくまわし)という、不思議な人物が現れる。翼を持って空を飛び、民を脅かしたため、三韓征伐の前に、神功皇后に討たれたという。日本書紀によればその拠点は「荷持田村(のとりたのふれ)」であり、福岡県朝倉市、秋月城跡近くの「野鳥(のとり)」という地名は、その名残だという。同じ市内の筑後川近く、蜷城(ひなしろ)の地には美奈宜(みなぎ)神社が建つが、その地名は、神功皇后が川蜷(かわにな)によって城を作り、攻めて来た羽白熊鷲を水攻めにして滅ぼしたため「になしろ」といい、それが訛ったものという。羽白熊鷲を滅ぼした後、神を祀る場所を求めて、一羽の白鷺を放し、その降り立った場所に建てたのが、美奈宜神社とされる。朝倉市内には、もう一つ美奈宜神社がある。それは羽白熊鷲の拠点であり、討たれた地ともいう古処山(こしょさん)の山裾にある。そこで神功皇后が熊鷲を討った事を神に奉告したのが、この神社の始まりという。この神社から山を登ったダム湖の畔には、羽白熊鷲ものとされる墳墓もある。隣の筑前町には、三韓征伐にあたり兵を集めたが、神の障りによって集まらず、祭祀をすることで集まったという伝承があるが、その召集に、羽白熊鷲が応じなかったため討たれたという伝説もある。日本神話唯一と言っていい、鳥人伝説の伝承地案内。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之四拾壱 宮崎・高千穂 天孫降臨の地にまつろわぬ影
- 天孫降臨や天岩戸など、聖なる神々の事績を伝える高千穂にちらつく、「魔」の影を追う
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 29 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
宮崎県北東部の山間にある高千穂は、神話伝承の地である。天照大神の孫・ニニギノミコトが天照大神の命を受け、地上の統治の為に高天原より降臨した場所が、この高千穂とされ、天孫降臨の地として知られる。それだけでなく、高千穂には様々な神話伝承地があり、その中でも有名なものが、天岩戸神社だ。この神社の御神体は渓流沿いの岩窟であるが、これこそ天照大神が隠れた岩戸だという。その他、岩戸隠れの際、八百万の神々が集まって相談したという天安河原や、高天原の水を移したという天真名井など、数々の伝承地があるのだが、高千穂には、こうした「聖なる神々」の伝承地だけでなく、荒ぶる「まつろわぬ」鬼たちの伝承もある。その代表的なものが、神武天皇の兄に討たれた鬼八(きはち)であり、夜神楽で有名な高千穂神社には、その討伐の様子が彫刻されている。また、日向国風土記逸文には、天孫ニニギノミコトの降臨時、地上は暗闇に覆われていたが、二人の土蜘蛛の助言で明るくなったという神話が載っている。ここでは天孫に協力しているが、土蜘蛛は、記紀・風土記で天皇に逆らう土着の勢力として描かれ、後世には人を食う妖怪とされている。「魔」の影ちらつく神話の舞台の謎を解く。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之六拾参 岩手・江刺 まつろわぬ経清 斯く戦えり
- 朝廷を裏切り、蝦夷に味方した奥州藤原氏の祖・藤原経清 そこに武家文化の淵源を見る
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 32 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
其之五拾九「岩手・衣川 命懸けで詠む歌の真髄」でも取り上げた、岩手県奥州市。そこはアテルイから安倍氏、奥州藤原氏へ至る、古代東北史の舞台だ。北上川東岸の旧江刺市には、奥州藤原氏初代・清衡とその父・経清の居城であった豊田館跡や、経清と一族郎党の墳墓と伝わる五位塚がある。式内社・鎮岡神社(しずめがおかじんじゃ)も鎮座する。清衡は、豊田館跡の鎮守としてこの神社を尊崇、社殿の修造や荘園の寄付を行ったという。江戸時代には、中部・東北・北海道を旅した博物学者・菅江真澄も参拝し「畏しな荒ぶるとても幣取らば心鎮めの岡の神籬」という歌を残している。神社名にかけ自らの心を鎮める歌と解されるが、この神社が荒ぶる神を鎮めている事を、言外に仄めかしているようにも思われる。鎮岡神社は五位塚の麓に鎮座し、その地名も五位塚であって、それと無関係とは思われないからである。藤原経清は五位の官人でありながら朝廷に背き、蝦夷の末裔・安倍氏と共に前九年の役を戦って源氏に辛酸を舐めさせ、敗れた後、鋸挽きで処刑されたという。一方で、それが明言されないのは何故か。それは潔き武将を怨霊とせず貶めまいとする、敬意があるのではないか。勝敗や敵味方に関係なく、猛き者、智き者を尊ぶ、独特ながらも日本文化の主軸の一つとなった、高潔なる武家の精神文化の発祥を探る。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之十五 奈良・飛鳥 文化揺籃の地の 巨石と性の信仰
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人
- 再生時間: 29 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
奈良県の飛鳥地方は、古代に都が置かれた、日本文化揺籃の地。 そこは、著名な石舞台古墳をはじめ、数多くの巨石構造物が残る地でもある。 それらのうちの幾つかは、大洪水の伝承や、ゾロアスター教の拝火台説など、 使途不明で、奇妙な言い伝えが残る、謎に包まれたものも少なくない。 そんな飛鳥の中心地に「飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)」が鎮座する。 飛鳥に都が置かれる以前から当地に鎮座する、出雲系の極めて古い神社であるが、 境内には数多くの男根と女陰の形の石が祀られており、飛鳥巨石文化の一部を成す。 この神社に伝わる「お田植祭(おんだまつり)」も、奇祭として知られる。 豊作と子孫繁栄を祈るこの神事では、天狗とオカメが性行為の踊りを奉納する。 現代では、前近代的な奇習としてばかり注目されがちなこういった文化も、 かつては家や村落の存続を賭けた、真摯な祈りが込められたものであった。 何となれば「子作り」は、現代においても、人工授精・体外受精など、 先端科学の粋を集めてでも成し遂げたいと願う人々も少なくない、 「自然の神秘」に左右される、困難で切実な事象だからだ。 近代以前の、生存率の低い社会にあっては、「子作り」はまさに神頼みであった。 子のない夫婦が神に祈って超人的な子を授かるのは、民話の定番でもあるし、 ...
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之十七 セックスから神社を読み解く(特別対談前編)
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人
- 再生時間: 31 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
日本に限らず、世界中で「宗教」と言えば、性欲を抑制し、遠ざけるものだというのが、 現代社会における通念である。しかし、本当にそうなのだろうか?確かに日本の神社は厳粛、清浄を旨とし、神社に仕える巫女にも、処女性が求められる。 巫女に、古より処女性が求められたのは確かだ。しかし、それは巫女の一面でしかない。 特定の神社に所属せず、諸国を放浪した「歩き巫女」のような巫女もいたのである。 彼女らは祈祷や託宣を行いつつも、旅芸人や遊女を兼ねる事もあった。 なぜ、清浄さを求められる巫女が、遊女をも兼ねたのか。 それは古代の根源的な宗教、信仰が、シャーマンによる神憑りを重視するからだ。 神憑りとは神が己の肉体に入ることであり、セックスと極めて近い性質がある。 さればこそ、シャーマン、巫女は女性であることが多いのだ。 文明発祥地・古代メソポタミアの神殿には「神聖娼婦」がいたという。 洋の東西を問わず、神なるものの根源にはセックスがある。 また、「歩き巫女」がそうであったように、芸能との関連も注目される。 遊女の代名詞である「傀儡」は人形使いの芸能者であるし、 諸国を放浪した歌舞伎の始祖・出雲阿国は、巫女であったとも言うが、 幕府に禁止されるまで、歌舞伎は女性が踊り、ストリップ的要素が強かった。 天の岩戸神話のアメノウズメノミコトの踊りは、ストリップ以外の何物でもない。...
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之弐拾参 筑紫から信濃へ 海洋氏族 阿曇氏の展開
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人
- 再生時間: 29 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
福岡市西部、博多湾と玄界灘を仕切る砂州・海の中道の先に、志賀島がある。ここは、漢の皇帝より奴の国王に贈られた金印が発見された地として、名高い。この島は、金印が発見されるにふさわしく、古代には海洋氏族・阿曇氏の根拠地であり、彼らが崇める海の神を祀った志賀海神社がある。顔に貝殻が付着して醜かったという「安曇磯良」の不思議な伝説もある。阿曇氏は、古代のある時期、志賀島から全国各地へ展開する。彼らが定着した土地には、氏族の名が付けられた。滋賀県の安曇川や、愛知県の渥美半島、福島県の安積原野などがそうだという。ここに見えるように、海洋氏族でありながら内陸にも展開した。その典型が、長野県の安曇野である。安曇野の穂高神社は、山に囲まれた信州にあって海神を祀り、船形の山車「御船」をぶつけ合う「御船祭」など、海洋氏族の名残を留める神事もある。一方、古代の安曇野には、坂上田村麻呂に討たれた「まつろわぬ者」八面大王の伝説もある。朝廷に食を奉る氏族でありながら、どこか異形の影がつきまとう、全国展開した海洋氏族・阿曇氏の足跡を追う。語り:高橋御山人 聞き役:盛池雄峰
著者: 高橋 御山人
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「夏目漱石随筆集 第2巻」-Wisの朗読シリーズ(54)
- 著者: 夏目 漱石
- ナレーター: wis
- 再生時間: 1 時間 55 分
- 完全版
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ナレーション
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ストーリー
文科省留学生として派遣された夏目漱石。この2つの随筆には、そのロンドン(倫敦)滞在中での抱腹絶倒の漱石の姿がある。下宿の巨躯の婆さんに半ば命令されて自転車を始めるも、乗りこなすのに四苦八苦。坂道を猛スピードで駆け下りて板塀に激突したり、青年伯爵らと出かけたものの暴走して毒づかれたりと、漱石の悪戦苦闘ぶりを描く『自転車日記』。洋書を買い込むべく、滞在費をぎりぎりに切り詰め安下宿に住むが、知ったかぶりの説教をする夫人や、のべつしゃべりまくる使用人の女、下宿の主人夫婦と家主との大喧嘩などに閉口しながらも、彼らに頼られていく様子を描く『倫敦消息』。英国留学中に深刻なノイローゼになったと言われる漱石とはまるで別人の、留学生活を楽しむ生き生きとした漱石がここにはいる。(C) wis
著者: 夏目 漱石
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高橋御山人の百社巡礼/其之八拾参 青森・弘前 鉄の技術者 鬼神様
- 岩木山の麓に鎮まる神社で、神と崇められる鬼は、製鉄と土木の技術者だった
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 29 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
青森県弘前市、岩木山の麓に、鬼神社(きじんじゃ)なる神社が建つ。岩木山山頂奥宮に鎮まる大国主命の娘・高照姫神の霊験により、征夷大将軍・坂上田村麻呂が、山麓に社を建てたという由緒を持つ。神社にも関わらず、弘前藩主・津軽氏の家紋と同じ卍を神紋とし、境内に横になった一対の石の魚があるなど、不思議に満ちた神社であるが、何と言っても最大の謎は「おにがみさま」と呼んで尊んでいることである。昔、旱魃で村人が苦しんでいる時、大人(おおひと)と呼ばれる鬼が、山を切り開いて用水路を作ってくれ、以来、その鬼を祀っているとされる。当地の地名・鬼沢もその伝説に由来し、当神社の扁額の一部で「鬼」の字に角がないのも、鬼を崇め祀っているが故という。社殿の屋根下には、鍬、鎌、鋤といった鉄製の農具が、数多く奉納されているが、鬼が使ったかのように、巨大である。本殿には、実際に鬼が使ったとされる、千年前の鍬形が御神体として祀られているという。さらには、出所は定かではないが、本殿の地下に、永遠に錆びない巨大な刀が納められており、こうした高度な技術の持ち主であることが、隠された鬼の真相という話もある。日本各地の伝承を見ても、鬼は鉄と強く結びついており、平地の民が、山岳に住む異様な産鉄民の姿に、鬼を見たと言われる。津軽の神社から、鬼の神髄に迫る。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之五拾九 岩手・衣川 命懸けで詠む歌の真髄
- 黄金都市・平泉の前身、衣川 戦人も詠む「和歌」とは何か?「まつろわぬ」芸術論!
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 30 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
中尊寺金色堂を抱え、「黄金の国ジパング」の由来ともなった平泉。奥州藤原氏が開いた、京にも匹敵するこの一大都市の北を、衣川という北上川の支流が流れている。その合流点近くには、芭蕉の「奥の細道」でも有名な、源義経最後の地・衣川館(高館義経堂)があるが、古くはこの衣川こそが朝廷の勢力圏と蝦夷の勢力圏の境界であった。そして、流域に広がる旧衣川村(現奥州市)には、奥州藤原氏のルーツである、安倍氏累代の拠点・安倍館があったと伝えられる。元々朝廷の武士であった藤原経清は、安倍氏と婚姻関係を結び、朝廷から派遣された源氏と、安倍氏の側に立って前九年の役を戦ったが、最終的には滅ぼされる。が、数奇な運命を経て、後三年の役の末に奥羽の覇権を握ったのが、経清と安倍氏の娘との子であり、奥州藤原氏初代の清衡である。衣川は平泉のルーツなのだ。安倍館の近くには、安倍氏の守護神・アラハバキ神(其の二「宮城・秋田古代東北のまつろわぬ信仰」参照)を巨石に祀った神社が建ち、前九年の役の古戦場も残る。そこで、源義家は、戦いながら歌を詠み、安倍貞任はそれに返したという。捕縛され都に送られた安倍宗任も、蝦夷と小馬鹿にする貴族相手に歌を詠み、教養を示したという。命懸けの局面ですら詠まれる「和歌」とは一体何なのか。その真髄を読み解く驚天動地の芸術論!
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之四拾七 山梨・上野原、小菅 忌部、諏訪、太子 深き山路の古伝
- 忌部、諏訪、聖徳太子……「辺境」における「中央」とつながる物語の意味とは
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 31 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
百社巡礼の対談相手・盛池雄峰師宅のある、山梨県上野原市の神社を取り上げ、収録も上野原で行う「上野原シリーズ」。第三弾は、市北部の棡原(ゆずりはら)集落に鎮座する鷲神社。特徴的な名前のこの神社の祭神は、天日鷲命(あめのひわしのみこと)。この神は、古代の祭祀氏族、忌部氏の祖神である。忌部氏は四国の阿波に勢力を持ち、そこで神聖なる植物・麻を栽培し、その一部は黒潮に乗り、房総半島へ移住した(其之弐拾五阿波から安房へ 神祀る忌部と聖なる「大麻」参照)。この神が祀られている棡原には、麻の栽培技術を持った忌部氏の一派が移住して来たのか。棡原は、甲州街道から小菅村へ至る道沿いにあるが、その小菅村にも、天日鷲命を祀る箭弓神社(やぎゅうじんじゃ)がある。そのすぐ隣に建つ諏訪神社は、全国に約九千ある諏訪神社の内でも、二十番台にあたる由緒ある神社という。棡原から小菅へ至る道の途上には、鎌倉時代に建てられた長作観音堂があり、国の重要文化財となっている。そこには、六代孝安天皇の皇女と聖徳太子の伝説もある。山深い棡原や小菅に、なぜこんなにもはるか太古の歴史と関わる信仰や伝承があるのか。「辺境」における「中央」とのつながりの意味を考える。
著者: 高橋 御山人
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高橋御山人の百社巡礼/其之参拾 京都・丹後 聖なる元伊勢と 鬼跋扈する魔界
- 伊勢の神宮のルーツの一つでありながら、鬼が跋扈する魔界でもある、驚くべき丹後の謎
- 著者: 高橋 御山人
- ナレーター: 高橋 御山人, 盛池 雄峰
- 再生時間: 29 分
- オリジナル版
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総合評価
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ナレーション
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ストーリー
京都府丹後地方、日本三景・天橋立のすぐ北側に、丹後一宮・元伊勢籠神社(このじんじゃ)が建つ。伊勢の神宮・外宮の豊受姫神は、元々ここに鎮座していたとされ、天照大神も、宮中から出て伊勢の内宮に鎮まる前に、ここに数年祀られたという。宮司を代々世襲する海部氏は、神話に遡る非常に古い家柄であり、社宝にして国宝のその家系図は、現存では日本最古のもの。神社に受け継がれた二枚の鏡はそれぞれ前漢・後漢のものであり、出土品ではない伝世鏡としては、これも日本最古。また、元伊勢内宮・外宮と称する神社は、天橋立の南に聳える大江山の山中にも別にあり、「天の岩戸」も存在する。一方、大江山は、酒呑童子伝説で有名な鬼の住む山。しかも、大江山の「鬼」はそれだけではない。大和朝廷黎明期には、土蜘蛛・陸耳御笠(くがみみのみかさ)が丹後じゅうを転戦し大江山に入って消息不明になったといい、聖徳太子の弟・麻呂子皇子(まろこのみこ)が、大江山の悪鬼、英胡(えいこ)・軽足(かるあし)・土熊(つちぐま)を討ったという。伊勢の神宮発祥の地にして、三つの時代に渡り鬼が跋扈する魔界。聖と魔の交錯する根源に、古代「丹後王国」の繁栄を見る。
著者: 高橋 御山人