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おたふく
- ナレーター: 斉藤 範子
- 再生時間: 1 時間 38 分
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あらすじ・解説
<内容紹介>
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。
その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
貞二郎は腕こそ一流の彫金師だが、ひどく酒好きでついには仕事場でも赤い顔をしている始末だった。師匠の来助もたまらず小言をいうが、貞二郎は「私は酒を飲みだしてから少しましな仕事が出来るようになった」と言い張る始末。確かに腕は上がっているものの、仕上がる数は少なくなる一方で、来助は大いに悩んだ。腕だけでは無くその人の良さを知っていただけにどうにかして身を立ててやりたいと思ったのである。そこで妻のおそのと相談して、嫁を持たせようと決めた。
おしずを嫁に迎えた貞二郎は、世話焼きで素直で、そのうえ女らしい艶っぽさも兼ね備えている彼女のことを愛おしく思うようになる。年は三十六で自分のことをのろまのおたふくだと卑下するおしずだったが、人のことは全く悪く言わないのが、ますます貞二郎の心を動かし、新しい仕事の誘惑にかられ出すのだが……
<山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)>
1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。
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