『森鴎外「高瀬舟」』のカバーアート

森鴎外「高瀬舟」

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森鴎外「高瀬舟」

著者: 森 鴎外
ナレーター: 野口 晃
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このコンテンツについて

京都の罪人が遠島を申し渡されると、高瀬舟に乗せられる。島を申し渡された罪人は、重い罪を犯しているが決して盗みをするために火をつけ人を殺すというような極悪な人物が多数を占めていたわけではない。高瀬舟に乗る過半はいわゆる心得違いのために思わぬ罪を犯した人であった。

ある春の夕に、珍しい罪人が高瀬舟に乗せられた。それは名を喜助といい、三十歳ばかりになる、住所不定の男である。護送を命ぜられて、一緒に舟に乗り込んだ同心羽田庄兵衛は、喜助が弟殺しの罪人だということだけを聞いていた。 喜助の様子を見ると、いかにも神妙でおとなしく、自分を役人として敬って、何事につけても逆らわないようにしている。しかもそれが、罪人の間に見られるような、素直を装って媚びる態度ではないのを庄兵衛は不思議に思った。 喜助の顔がいかにも楽しそうで、口笛を吹くとか、鼻歌を歌い出しそうなぐらいに思い、庄兵衛は始終喜助の顔から目を離さずにしていた。 庄兵衛はこれまで高瀬舟の宰領を幾度もしたが、いつも同じように、気の毒な様子をしていた。それなのに、この男は遊山船にでも乗ったような顔をしている。罪は弟殺しのようだが、もしやその弟が悪い奴だとしても、人の情として好い心持ちはしないはずである。喜助は人の情というものが全くない世にも稀な悪人であろうか。どうもそうは思わない。庄兵衛が喜助の態度を考える程わからなくなるのである。

暫くして、庄兵衛はこらえ切れなくなって喜助に何を思っているのかと呼び掛けた。喜助は、何事かをお役人に咎められたのではないかと思い、庄兵衛の気色を伺ったので、庄兵衛は突然問いを発した動機を明かした。すると、喜助はにっこりと笑った。喜助は島へ行くことを悲しいと思っているのは、世間で楽をしてきた人達であり、自分がこれまで受けた苦しみはどこにいってもないと思う。お上のお慈悲で、命を助けてもらい、島にいろと仰って下さり、さらにお金をいただいたと答えた。

庄兵衛は「うん、そうかい」といったが、聞いた言葉があまりに意表に出たので、これも暫く何もいうことが出来ずに、考え込んでいた。 納得がいかない庄兵衛はさらに喜助に弟を殺した理由を聞かせてくれと頼んだ。喜助は「かしこまりました」と小声で話しだした・・・。
(c)2017 Pan Rolling
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庄兵衛も答えを出せぬまま、2人を乗せた高瀬舟が静かに進んでいく様子がとても切ない。

もし婆さんが見ていなかったとしても、自分がやったと言うんじゃないだろうか。果たしてそれは罪なのか……

罪とは

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子供の頃、祖母から「ものの哀れがわかるようになりなさい」と言われていました。この話しは本当に哀れな話しだと思いました。この主人公のその後の幸せを願いました。

高瀬舟という船の事は知りませんでした。

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教科書などで題名を目にすることはあったのですが読んだ事がなく、オーディブルで見つけてとても短かったのでさっくりと聞いてみました
内容はさっくりとしたものでは全くなく、人生とは、幸せとは、罪とは、何かを考えさせられる名作でした

考えさせられる名作でした

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森鴎外の「高瀬舟」は、有名な作品ですが、
実際どんな話なのか全く知らなかったので、
ちょうどいいと思い聞いてみました。

罪人の流刑の話だとはつゆ知らず、
このような悲しい、やるせない話だとは思いませんでしたが、ただ、
安楽死についてはいつの時代も議論される永遠のテーマだと思います。

鴎外も当時悩んでこの作品を描かれたのだろうかと思うと
少し思うところはありました。
読みの方の雰囲気がよく、スッと物語に入れました。
知らない方も知っている方も聞いてみて欲しいと思います。

今も昔もテーマは変わらず

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このくらいの長さでいいのかもしれない
淡々と進んで、クライマックスの痛い描写だけを詳細に書くことで浮き上がらせる
まったく上手くできた短編だ

とはいえ、まだ自分は長編なら好き嫌いはあるが、短編となるとよくわからない
ストーリーが短すぎて
そんなわけでこのくらいの点数になってしまうのである

それと前後のBGMは無駄な気がする

この題材なら

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すごくよかったです。独特の世界に入り込めました。また聞きたいです。

すごくよかったです

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なんともやり切れない気持ちにさせられます。
ナレーションの優しい語り口に、更に切なさが増してきました。

切ない…

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何度読んでも泣いてしまう作品です。
大袈裟な芝居なく、淡々としたナレーションで、静かに作品世界に浸れます。
絶妙な間、気持ちよく息ができる。
個人的には音楽無しで聴きたかった。

泣けます

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聴いていてやりきれない思いがありましたが、登場人物は晴れやかな感じ。
けして罪人という凶悪な感じではなく、心優しいために行った行動。。。
けっして許される行為ではないけれども....考えさせられる作品です。
ナレータさんの雰囲気のある読みが良かったです。

判断がつかない

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結果としては罪なんだけど、中身を聞くと…やるせなくなりますね。ナレーターさんも上手なのでスグに世界に引き込まれました。

答えを出すのが難しい

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